240223☆川崎Fが見せた「新しい勝ち方」。小林悠は4年連続の開幕戦ゴール 2017/02/26 11:48 (ASUS_Z00ED)
昨季まで大宮の揺るぎない大黒柱として活躍していた家長 昭博が川崎Fに移籍したこと、昨季の天皇杯準決勝での熱戦などを経て、新たな因縁も生まれた一戦。スタートから互いにテンションの高い試合となった。
先にチャンスを迎えたのは川崎F。3分、右サイドでボールを受けた小林 悠がわずかなスキを突いてミドルシュートを放つと、これがクロスバーを直撃。直後にも右サイドの中村 憲剛が鋭いクロスを送り込み、ゴール裏に陣取った川崎Fサポーターを沸かせた。
一方の大宮は前線からの激しいプレッシングで川崎Fの攻撃を制限することで、徐々にリズムをつかむ。4分には瀬川 祐輔がロングパスに抜け出してGKと一対一のチャンスを作り出したが、GKチョン ソンリョンのセービングに阻まれ、得点とはならなかった。
10分を過ぎたあたりからは、両者が主導権を巡って一進一退の攻防となる。ワイドからアグレッシブに攻める大宮と、大島 僚太を中心に中央からこじ開けようとする川崎F。均衡が崩れ始めたのは、30分を過ぎたところからだった。
34分、大山 啓輔が中村からボールを奪い、中央の長谷川 アーリアジャスールへ。パスを受けた長谷川はスペースを見つけた大前 元紀につないだが、大前のシュートは左へと逸れていった。さらに2分後の36分には奥井 諒が右サイドからクロスを上げ、ファーサイドで待ち構えた大前が決定的なシュートを放ったものの、チョン ソンリョンが抜群の反応ではじき出した。
大宮のチャンスは続く。37分にCKのこぼれ球を拾った大屋 翼がロングボールを送り、前線に残っていた菊地 光将がボレーシュートも、枠の上へ。40分には大前の左CKを河本 裕之が完璧に合わせたが、これも枠の上へと外れていった。前半アディショナルタイムに得たゴール前でのFKも大前のキックがわずかに外れ、前半はスコアレスで終了した。
挽回を期する川崎Fだが、後半もなかなかリズムをつかめない。その中で57分、鬼木 達監督は家長に代えて森本 貴幸を投入する。前線に動きを加えたことにより大宮のラインが徐々に下がるようになり、川崎Fがポゼッションする時間は増えていった。
前半とは違う流れの中、先に試合を動かしたのは川崎Fだった。66分、連続して右CKを得ると、中村の蹴ったボールに小林がマークを外してヘッド。GK塩田 仁史の手の届かない位置に流し込み、4年連続の開幕弾となる貴重な先制点を挙げた。
追う立場となった大宮は岩上 祐三、ネイツ ペチュニクらを投入して攻撃に転じるが、なかなか決定的なシーンに持ち込むことができない。前掛かりになった大宮に対して川崎Fは焦らず戦い、後半アディショナルタイムには中村がダメ押しの1点を決めて試合を終わらせた。
川崎Fの鬼木監督は「川崎Fらしい戦いではなかったと思うが、長いシーズンを戦う上ではいろいろな勝ち方がある。また新しい勝ち方ができたと思っている」と試合を総括する。決して理想的な姿ではなくとも勝利を手にした川崎F。新たな一面を見せて開幕戦を飾った。