さらに86分にカイオがトドメの右足シュート。どう転んでも鹿島の17個目のタイトル奪取は確実だった。
■勝利のため細部へ徹底的なこだわり
3点リードの鹿島は時間をゆっくり使いにかかる。じれたG大阪の反則が多くなる。FKを得た鹿島。しかしCKのキッカーとしてカウンターの基点として、3得点すべてに絡んでMVP(最優秀選手)に輝いた小笠原は足元に置いたボールをなかなか蹴ろうとはしなかった。主審にしきりにアピールしているところから推測するに「ガンバの選手がルールに定められた距離(9.15メートル)より近くにいる」と言っていたのだろう。
蹴るしぐさを交えながら、しつこくアピールも続けてFKを蹴らない小笠原。実際、蹴った瞬間に飛びかからんばかりの体勢でいるG大阪の選手は規定の距離より手前にいるように見える。この距離の測定を間違えると小笠原に遅延行為のイエローカードが出てもおかしくないのだが、ルール上の理は小笠原にあるから再開を引き延ばすことを審判もとがめるわけにはいかない。蹴って始めても3点差の大勢に影響はないし、蹴るのに支障があるほど近くにいたわけでもない。それでも一応アピールは怠らない。
小笠原のじらしに、たけり狂ったのか。G大阪の選手はプレー再開後、ラフプレーでイエローカードを受けた。見る人によっては「せこい」と思うかもしれない。が、この勝利を手繰り寄せるための細部に対する徹底的なこだわり、手抜きの無さこそ、鹿島を鹿島たらしめているのではないか。Jリーグ創設から鹿島が取った17冠のうち、14冠に関わった小笠原はそういう意味ではジーコ伝来の勝負根性の正当な嫡子といえるのだろう。