サッカーは、時にあまりにも残酷だ。
幾度ものリハビリを乗り越え、ようやく帰ってきた男を、再び悪夢が襲う。
その背中を、誰よりも近くで見つめ続けた若き高卒生え抜きがいた。
この時、まだ誰も知らなかった。やがてその若者が、鹿島の新たな象徴となることを。
カシマイズムをその身に宿し、予測不能のランニングと爆発的なスピードで相手を置き去りにする。左サイドを駆け上がり、鋭く中央へ切れ込み、自らゴールを射抜く。
その名は、松村優太。
受け継がれるのは、背番号ではない。受け継がれるのは、カシマイズムだ。
つづく