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ミシャからも評価されてる監督だから期待しかないよな
Jに旋風、北から南から 札幌×鳥栖、監督対談 サッカー
名伯楽と新進気鋭の指導者が、互いのサッカー観を語り合った。札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督と、鳥栖の川井健太監督。J1で、最北と最南に位置するクラブを率い、30周年のJリーグで旋風を起こそうともくろむ。
――ミシャさん(ペトロビッチ監督)は昨季終盤、「J1で最も注目すべきは鳥栖だ」と言っていた。
ペトロビッチ監督(以下、ぺ) 「前線から積極的にプレスをかけ、マンツーマンでボールを奪う。奪ったら素早く縦へと攻撃を仕掛け、ゴールへ向かう。リスクもあるけれど、勇気がないとできない面白いサッカーをしている」
川井監督(以下、川) 「光栄です。僕自身、2017年に(Jリーグの監督に必要な)S級ライセンス取得の際の実地研修で、浦和にいたミシャさんのもとで学ばせてもらいました」
――両クラブとも、選手が伸びる印象。指導者として大切にしていることは?
川 「サッカーにミスはあるもの。やろうとしたミスなのかの見極めをしっかりすること。あとは、まずピッチで選手にプレーしてもらうこと。作戦盤の上で『ここに立ち、こう動く』と指示するようなことはあまりない。理解していなくても、やってみたら『あ、できていた』ということが、案外、僕のトレーニングは多いかもしれない」
ペ 「その通り。監督の仕事で一番難しいのは、頭の中にあるイメージを選手に落としこむ作業だ。現代は、良いスーツを着て、良いコメントをすることの方が、大事に思われがちだけれども。私たちの仕事は、グラウンド上にある」
――お互いを、指導者としてどう見ていますか。
川 「とがってますよね。広島のときも、資金力のあった浦和のときですらも。従来のものにとらわれず、常に新しいものを求め続ける。貯金でサッカーをしない、という姿勢は本当にリスペクトしています」
ペ 「若いけれど、サッカーを見る目がしっかりしている。球の奪い合いで戦う、ゴールへ向かうという本質を見落としていない」
川 「ミシャさんのもとで学ばせてもらったときに、選手との距離の近さが印象に残った。試合に出てようが出ていまいが、すべての選手と毎朝、満面の笑みで等しく親しくあいさつを交わしていた。毎日楽しくトレーニングさせてあげたい、こんな監督になりたい、と。僕の原点ですね」
――観衆を楽しませる、という姿勢が共通する。
ペ 「それがサッカー。私は非公開練習をしない。練習を見られたほうが、ファンも試合で起こったことやある選手がなぜ活躍できたのかを、より理解できて楽しめる。ファンがサッカーについて常に語ることが、サッカー文化を豊かにする」
川 「僕も全部公開してもいいくらい。まねされたり、対策されたりしようが、その上を行きたい。それに、サッカーはエンターテインメント。試合で楽しませられるのが一番ですが、それだけでない日常からも楽しんでもらいたい」