712198☆ああ 2023/11/18 08:10 (iOS16.6.1)
うちは補強の人選が難しいだってさ
サッカーJリーグ1部(J1)の北海道コンサドーレ札幌は7季連続のJ1残留を達成した。開幕時に掲げた「タイトル獲得」などの目標には届かずも、新型コロナウイルス禍による減収もあるなかで、地方都市クラブが継続的にJ1で戦えているのは大きな成果だ。
J1定着が果たせている要因は就任6年目のミシャことミハイロ・ペトロビッチ監督の手腕が大きい。具体的には、攻撃的な戦術を貫いている部分だ。
J2に降格するチームは総じてシーズン途中に戦術が不透明になりがち。監督交代や、その場しのぎの選手補強などで目先の勝点獲得を狙うからだ。
札幌も例年、苦戦を強いられる時期がある。だが、指揮官が同じ戦術を徹底することで、課題を的確に把握できる。戦術やメンバーがコロコロ変われば課題の発見や改善は難しい。戦い方を貫くことで、札幌はしっかりとJ1に定着している。毎年のように主軸が移籍し、戦力ダウンするなかでもチームとしての継続性を保ち勝ち残っている。
確かな積み上げもある。攻撃的なスタイルを貫くなかで、今季は常に得点数がリーグ上位だった。失点数の多さは課題だが、狙いとする部分が数字に表れているのは力をつけている証しだ。
ここから上位に向かうために必要な部分を考えてみたい。
ミシャ監督の戦術は緻密なため、新戦力の適応に時間がかかる。それ故、補強の人選が難しい。ここをどう改善するかが大きなカギだろう。サッカーという競技自体が年々、プレー強度を高め、負傷者は増加傾向にある。控えメンバーを含めた選手層の充実度が順位により直結してくる。選手層を厚くしていくための方策が求められる。
札幌U―18(18歳以下)との連動や、新卒選手のスカウト活動も変わらず重要だ。しかし、J1の上位を狙うには、即戦力の補強は欠かせない。昨今の円安状況を考えると有力な外国籍選手獲得は割高となり簡単ではない。狙い目となる他J1チームの控え選手、あるいはJ2、J3の有望株をしっかりとスカウティングすることだ。今季加入のMF浅野雄也のように即、主軸になり得る選手を見つける必要がある。浅野のような即効性のある補強成功例はここ数年、少ない。
上位進出を目指しながらも残留争いが続いている近年だが、J1に定着する状況はクラブとして初めてのこと。次のステップである上位進出に向けて手探りになるのは仕方ないだろう。J1の舞台での戦いを楽しみながら、引き続き我慢強く戦いぶりを注視していきたい。