<社説>コンサドーレ J1復帰へ立て直し急務
サッカーJ2の北海道コンサドーレ札幌は今季を20チーム中12位で終えた。1年でのJ1復帰を目指したが攻守ともに振るわず、開幕4連敗を喫した後、昇格プレーオフ圏の6位以内に一度も浮上できなかった。
ファン、サポーターの失望は大きい。チーム編成から戦術に至るまで、今季の戦いを徹底的に検証することが求められる。
来季の監督にはJ1時代のサガン鳥栖を2022〜24年に指揮した44歳の川井健太氏が就いた。「攻撃に特化したフットボールを展開したい」と意欲を見せる。手腕に期待したい。
運営会社は8期連続の最終赤字見通しだ。J2にとどまり続ければ経営の苦しさは増す。
チームの強化と経営はどちらも正念場を迎えている。J1昇格へ向けて、抜本的な立て直しを急がなければならない。
今季の成績は16勝5分け17敗の勝ち点53で、失点数63はJ2ワースト2位だった。
昨季まで7季率いたペトロビッチ元監督が根付かせた攻撃的サッカーの継承に難航し、守備力も向上しなかった。強化部責任者と監督は途中交代した。
強化費はJ2トップクラスで、優勝した水戸の約4倍に上る。選手編成と戦術に失敗したことは否めない。チームは、泥くさく必死にプレーすることで心を動かすような試合を「十分見せられなかった」と総括した。
川井監督は現役引退後、短大や愛媛FCの監督などを務めた。鳥栖では後方からボールをつなぎ、前線で数的優位をつくる攻撃的戦術が注目された。自陣に引いてカウンターを仕掛けるチームの多いJ2では守備を固める柔軟性も必要になろう。
今オフには能力の高い選手がJ1クラブなどへ大量に移籍することも予想される。限られた資金で主力をどれだけ残留させることができるかが問われる。
コンサドーレは来年、創立30周年を迎える。新スタジアム構想もあるが、まずは道内の幅広い地域でサポーターやスポンサーを獲得し、基盤を固めたい。
Jリーグは来年、国際競争力を高めるため欧州主要リーグに合わせて8月開幕、翌年6月閉幕にシーズンを移行する。北海道は開幕前のキャンプ地として注目される。一方で中断期間となる冬の練習場確保が課題だ。
チームへの配分金も傾斜を強める。8月開幕に伴う来年2〜6月の特別大会でJ2、J3の優勝賞金はJ1の10分の1となる。格差が広がれば地域密着を掲げるリーグの魅力を損なう。全体の底上げが発展に欠かせぬことを忘れてはならない。