>>4627540
「コンクラーベ」が日本に伝わったのはイエズス会が辿り着く10年以上前、今の鹿児島に漂着したある宣教師の手によってである。
宣教師を保護したのは、弱小大名であった阿仁尾(あにお)氏。彼は、教皇を選出する手法に大いに興味をそそられたという。
庭園の一画に立てた小屋に部下を閉じ込め、中で大量の湯を焚きながら一人を決めさせ、選ばれた者には褒賞を与えた。
当然、誰もが褒賞を欲しがるが、長引けばみな死ぬ。その瀬戸際を見極めるのが『こんくらいべ』の醍醐味であったと言われる。
後に、大坂の陣に阿仁尾氏の郎党が参加した折、この興味深い風習が伝聞で伝わり、いつしか『根比べ』として広まったと言われている。
――民明書房刊 『誰も知らない日本カトリック教史』