J2リーグに舞台を移す山口。FW岸田和人の52ゴールに代表される圧倒的な破壊力を武器にしてJ3優勝を飾ったが、はたしてどのようなチームで、どういったサッカーをやってくるのか。まだ知られていないことも多いだろう。
スタイルを端的に表現すれば純然たるパスサッカーということになる。就任3年目を迎える上野展裕監督は山口の監督に就任以降、一貫してパス主体の攻撃を作り上げてきた。もちろん最終ラインや守備的MFの間で往復するだけのパスワークではなく、MF庄司悦大をキーマンに前へ前へと展開する熱さと厚さが魅力だ。
流れるように繋いだボールを決めるフィニッシャーたちにも華がある。昨季J3得点王の岸田はイレギュラーバウンドしたボールでも足を振り抜くセンスと体躯を兼ね備える。岸田に次ぐゴールを決めているMF福満隆貴はボールを足で持っても落ちないドリブルスピードがドストロングポイント。そこに他の中盤選手やサイドバックも絡んで分厚い攻撃を繰り広げている。
JFLやJ3で長くプレーしてきた選手が多い。ゲームキャプテンを担うMF島屋八徳島はJFLから駆け上がり、バク宙のパフォーマンスが派手なMF鳥養祐矢はJFLで19年間の蛍雪を経てJ2に辿り着いた。彼らのようにJ2が初めてという選手も大半を占めるが、自分たちで掴み取った夢舞台だからこそチームの結束は堅い。「山口の志を背負い、走って走って、汗を拭いて最後まで戦い抜きたい」と上野監督。J3を席巻した昨季同様に、今年もJ2を熱く盛り上げる。