57920☆mini 2017/11/21 15:31 (iPhone ios10.3.2)


 渡自身にとっては、J1昇格プレーオフ進出を逃すのは3度目になる。広島皆実高校から2012シーズンにギラヴァンツ北九州へ加入。柱谷幸一監督に率いられた2014シーズンには、チームは5位に食い込む大健闘を演じた。

 しかし、ギラヴァンツがJ1ライセンスをもっていなかったために、規定によってプレーオフそのものの出場がかなわなかった。状況が改善されないまま臨んだ翌2015シーズンを7位で終えたところへ届いたのが、ヴォルティスからの完全移籍のオファーだった。

「どんなかたちでも上へ行ける自信はあったけど、そのなかで徳島が僕を拾ってくれた。何をもっていいサッカーと呼ぶのかはわからないけど、今年は見ている人もやっている僕たちもすごく充実したサッカーができたと思ったので、それに対して(J1昇格プレーオフへ)行けなかったがすごく悔しい」

 スペイン人のロドリゲス監督を迎えた今シーズン。ボールをしっかりつなぐスタイルを標榜したヴォルティスは、前線により多くの選手を配置するシステムを採用したことと相まって、相手ゴール前におけるチャンスが飛躍的に増えた。

 総得点71は、名古屋グランパスの85に次ぐリーグ2位。ロドリゲス体制下で急成長を遂げ、その約3分の1を叩き出す存在になっても、渡は決して満足していない。ゴールを決めた試合で負けたのは、ヴェルディ戦が今シーズンで2度目だったにもかかわらず、だ。

「もともと勝ち切れる試合で、僕が点を取っていなかったので。今シーズンずっと言っていることですけど、勝ち切れるフォワードになれなかった。そこは本当にチームに対して申し訳なくて。結果として20ゴールは超えましたけど、その倍以上は外しているので」

●2017シーズン限りで切れる契約。24歳で迎えた分岐点

 もっとも、周囲からの評価は別だ。レベルが上がったJ2で23ゴールをあげ、しかもまだ24歳と伸びる余地を残したフォワードは、シーズンオフの移籍市場でおのずと注目される存在になる。

「本人にとっても、地方の中規模クラブにとってもよかったことですし、そういったことで(渡が)市場にあがってくるのは普通のことだと思っています」

 ヴォルティスの岡田明彦強化部長は、クラブの躍進ととともに急成長した渡に表情を崩しながら、続投が決まったロドリゲス監督のもとで捲土重来を期す来シーズンへ向けて、今シーズン限りで契約が切れる渡を引き留めたいと今後の方針を語った。

「攻撃的で躍動感のあるサッカーを継続して、この悔しい思いとともにしっかりと上へ行けるようにやっていくなかで重要な選手なので、そこは引き続き話をしていきたい」

 仮定の話ながら、もしJ1クラブからオファーが届けば――夢半ばで戦いが終わったいまは、何も考えられないとしながら渡は声を振り絞った。

「いまはなかなか先のビジョンというのは考えられる状況じゃないので……ただ、今年やってきたことが新しいステップへつながる可能性があるのならば、そこはひとつの優先順位として選択肢のなかに増やしますけど、本当に今日は『悔しい』のひと言なので」

 大学への進学を考えていたところへ、ギラヴァンツからオファーを受けたことで幕を開けたプロへの挑戦。絶対に上へ行ける、はいあがってみせると誓いながら己を磨き上げ、6年目で強烈なインパクトを残した異能のストライカーが、サッカー人生のターニングポイントを迎えようとしている。
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