103328☆ジープ 2016/05/16 11:51 (iPhone ios9.3.1)
コラム●THIS IS FOOTBALL
森崎和幸物語 第1章
森崎和幸というサッカー選手を考える時、僕は奇妙な感覚に囚われる。
久保竜彦であれば、全く説明不要だった。まず、見てもらえば、多くの人々が彼のプレーに魅了された。スピード、高さ、ダイナミックさ。決まりきったことではなく、何をやるかわからない創造性も持っている。野性味があり、闘志も見えるし、何よりもサッカーをやっているその姿が美しい。
和幸の弟・浩司にしても、その魅力を言うことは難しくない。類い希な技術を彼は、得点をとることに使ってくれるからだ。特に左足の破壊力は今もJ屈指。劇的な場面で彼の左足が炸裂して広島を勝利に導いたことは1度や2度ではない。
青山敏弘についても、そのダイナミックさと強さ、激しさについて語ることができる。千葉和彦や塩谷司、水本裕貴についても、林卓人についても、説明することは可能だろう。
だが、森崎和幸の良さについては、サンフレッチェのサポーターであっても、その本質を理解している人は決して多くないように実感する。カズがどうして通算400試合出場という偉業を達成できるのか。その理由を説明できる人がどれほどいるか。なにせ、プロのサッカー選手が「一緒にプレーするまで、カズさんの凄さがわからなかった」と語っているのだ。
森崎和幸というプロフェッショナルの本質を実感するためには、彼が歩いてきた道をたどるのが本筋だと思う。そこでこのメルマガでは、これから数回にわたり、カズの物語を書いてみたい。
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