377957☆ああ 2019/05/28 17:55 (SO-04H)
ホームビッグスワンで迎えた愛媛戦
自陣でパスを回してはロングボールを放り込むJ2でも通用しない攻め方、結局いつもの様に終了間際に逆転を許して敗北だった。ビッグスワンに響くサポーターのため息、どこからか聞こえる「来年も昇格は厳しいな」の声
無言で帰り始める選手達の中、アルビレックス新潟のマスコットのアルビくんは泣いていた
J2で手にした優勝、昇格、チームに長期間在籍してくれるスター選手たち・・・
それを今のアルビレックス新潟で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
そして何より、ほぼ同時期に昇格した広島と川崎がJ1の強豪チームとなっている現実がアルビくんの胸を締め付けた
「どうすりゃいいんだ・・・」アルビくんは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、アルビくんははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、選手をガンバとレッズに引き抜かれる感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってブラジルから新外国人を探さなくちゃな」アルビくんは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、アルビくんはふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ピッチに立っていたアルビくんが目にしたのは、2階席、そして通路まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、おやすみアルビくんは完売、そして地鳴りのようにアイシテルニイガタが響いていた
どういうことか分からずに呆然とするアルビくんの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「J1昇格はすぐそこだ、早く行くぞ」声の方に振り返ったアルビくんは目を疑った
「の・・・野澤?」  「なんだ、居眠りでもしてたのか?」
「そ・・・反町さん?今は松本山雅のはずじゃ・・・」  「オイオイ、カッテニ反町監督ヲヤメサセルナヨ」
「マ、マルクス・・・」  アルビくんは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
2003年11月23日 J2リーグ第44節・大宮アルディージャ戦
GK:野澤洋介 DF:丸山良明 DF:アンデルソン DF:鈴木健太郎 DF:高橋直樹 MF:秋葉忠宏 
MF:山口素弘 MF:栗原圭介 MF:ファビーニョ FW:マルクス FW:上野優作 
サブ:船越優蔵 安英学 深澤仁博
暫時、唖然としていたアルビくんだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「優勝、そしてJ1へ・・・新潟で奇跡を起こすんだ!」
新潟県内の小中学校へ無料入場券をばらまきピッチへ全力疾走するアルビくん、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、レッズに引き抜かれるレオナルドが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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