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「もう一度クラブワールドカップに出る」。鹿島、世界への第一歩
浦和とのFUJI XEROX SUPER CUPでは2−0から追い付かれ、鈴木 優磨の得点で突き放すという少し拙い試合運びとなったが、ペドロ ジュニオール、レオ シルバ、金森 健志ら優勝経験のない選手たちの喜ぶ姿が印象的だった。1試合で得られるタイトルでも喜びが感じられるとしたら、さまざまな国まで赴き、未知の相手と戦って得られた優勝にはどれだけの味わいがあるのだろう。鹿島が悲願のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇に向けて第1戦を迎える。
初戦の相手は全北が出場権を剥奪されたことによってチャンスを得た韓国の蔚山である。プレーオフでは香港の傑志と対戦し、PK戦の末に辛くも勝利を挙げて本戦への切符を手にした。
苦労して勝ち上がってきた蔚山が対戦相手とはいえ、選手たちに油断の色はうかがえない。2年前にはホームで迎えた初戦でウェスタンシドニーワンダラーズと対戦し、相手の守備を崩せずに時間が過ぎる中、終了間際に連続失点を喫して1−3で敗れた苦い経験がある。その後、FCソウル、広州恒大にもアウェイで敗れ、3連敗。いきなりグループステージ敗退の瀬戸際まで追い込まれた。そこから2連勝して盛り返したが、最終節のFCソウル戦に2−3で競り負け、グループステージ敗退の憂き目に遭った。どの大会でも言えることだが、大会初戦で勝利をつかめば自然と波に乗っていける。FUJI XEROX SUPER CUPから中2日という日程面は考慮に入れなければならないが、まずは初戦で勝利をつかみたい。
どのタイトルも重要だが、やはりACLには特別な思いがある。クラブとしてはノックアウトステージ初戦の壁に阻まれ続けてきた歴史があり、国内19冠(リーグ、リーグカップ、天皇杯)ものタイトルを獲得しながらアジアを制覇したことが一度もない。常にACLは「悲願のタイトル」と言われ続けてきたが、それをさらに重みのあるものに変えたのが昨年末のFIFAクラブワールドカップだった。開催国枠で出場した大会で大躍進を遂げ、アジアチャンピオンの全北よりも上の成績となる準優勝を果たし、選手たちはかつてない経験値を得た。しかし、決勝でレアル・マドリードに敗れた悔しさは、ACLに対する気持ちをさらに強いものに変えた。
「ACLを優勝して、もう一度クラブワールドカップに出る」
それは、レアル・マドリードに敗れた直後から、鹿島に共通する合言葉のようになっている。連戦続きの厳しい日程ながら、そのことについて言い訳するような選手もいない。
FUJI XEROX SUPER CUPで決勝点を挙げた鈴木も、プレシーズンから6戦6発と試合に出ればゴールを挙げる絶好調を維持しつつ、「11人の力じゃ難しい。全員で力を合わせて戦いたい」と言い切る。
鹿島が振り分けられたグループEには、蔚山のほかにタイのムアントン、オーストラリアのブリスベンロアーがいる。いずれも初対戦の相手であり、今後も勝ち進んでいけば未知の相手と戦うことになるだろう。しかし、選手たちに動じる様子はない。FIFAクラブワールドカップでの経験は、大きな自信をもたらしている。
[ 文:田中 滋 ]