No.255243
「自分が選択をしたことで、ちゃんと見えてパスを出したんだから、嘘でも良いから『後悔した』なんて言うな」―。
この文章を読んだ時、浅野は自分の愚かさを嘆くと共に、内田の偉大さを一瞬にして感じ取ったという。
「吹田スタジアムからホテルに帰るバスの中でメールを見て、僕はさらに後悔したんです。『ああ、俺は言ってはいけない言葉を言ってしまったんだ...』と」。
あれほど試合後に号泣をしたのに、メールを見た瞬間、浅野の目から涙が留まることは無かった。
「そのメールでグッと来たのが、『後悔するな』ではなくて、『嘘でも良いから、後悔したなんて言うな』というのこと。自分の中でたとえ後悔をしていたとしても、嘘でも良いからメディアや外にそう言うことで、自分が強くなると思う。この一言で篤人さんの愛情や、僕に伝えたかった代表での心構えすべてを感じたんです。『代表でやっていく上でこれくらいの気持ちが大事なんだ』と、このメール1通だけで、自分のメンタルが強くなった気がしました。篤人さんは僕なんか比にならないくらいのプレッシャーを感じながらやっていると思う。本当に言葉では言い表せないくらいの気持ちになりましたし、僕を慰めてもらっている気分ではなくて、目の前に先輩のでっかい背中が見える感じなんです」。
これまで日本代表で数多くの栄光と挫折を積み重ねてきた内田に、『代表とは何か』、『代表選手とは何たるものか』をたった一言で教えてもらった。
「涙が留まらなかったけど、その時、『ああ俺、ここで落ち込んでいる暇はないな』とパッと切り替わったんです」。
内田のメールにはさらに続きがあった。
「俺も早く怪我を治して、一緒にお前とプレー出来るように頑張るから」―。
このメールにも浅野の心は震えた。
「『どれだけこの人、でかい人間なんだ』と思いましたね。一人バスの中で鳥肌立って、さらに涙を流しながら感動していました」。