104383☆報知 2016/12/08 07:45 (SC-04F)
C大阪のJ1昇格を支えた陰のリーダー北野
スポーツ報知 12/7(水) 16:03配信

 サッカーのC大阪が3年ぶりのJ1復帰を決めた。4日に昇格プレーオフ(PO)決勝の岡山戦に勝って主将でエースのFW柿谷、日本代表MF山口ら選手、スタッフ全員が喜びを爆発させたが、翌5日には来季戦力外となる選手が発表。元日本代表FW玉田の退団は記事化されたが、同じく戦力外となったGK北野貴之(たかし、34)はその知名度から記事にならなかった。だが、今季トップチームで1度も出場機会がなかったこのベテランこそ、舞台裏でチームをまとめた陰のリーダーだった。

 C大阪は14年、ウルグアイ代表FWフォルラン、元ドイツ代表FWカカウら世界的選手を擁しながら一体感を欠いてJ2降格。両助っ人退団後の15年夏、フリーだった北野は前年に大宮で共闘した大熊清強化部長(当時、のちに監督兼務)から「チームをまとめてくれ」と言われ、C大阪入り。人なつっこく、ボキャブラリー豊富な抜群のコミニュケーション能力ですぐに溶け込むと、選手会長に任命された今季は2か月に一度のクラブハウス内の大掃除や節目での決起集会を提案した。

 大掃除の狙いについて「『きれいにする』という目標を共有することでピッチの上でも一体感が出れば。汚れを見つけることが、試合中の気付きになる」。ベテランから若手まで選手全員で風呂やトイレを磨き上げた。決起集会の際も、C下部組織の出身組、他クラブからの加入組、外国勢でそれぞれ群れないようにして「普段あまり話さない選手同士が話せるように、座席は店の入口であみだくじで決めた」と気を配った。

 危機も乗り越えた。10月2日、清水との上位対決で1―2と逆転負けした時だ。敗戦のショックを引きずる選手が多い中、練習再開時に北野はある提案をした。「家族などへの連絡以外で、クラブハウス内で携帯使用禁止」と。「練習場に来てまで携帯ゲームをするより、選手同士でもっと話をしよう」と訴えた。自分より年長者の36歳FW玉田や35歳DF茂庭に先に相談し、賛同を得てから敢行するなど、根回しも十分だった。

 チームは晴れてJ1復帰。5日に宝塚市内で納会が行われ、北野選手会長が「1年間付いてきてくれてありがとう」と述べると、主将の柿谷以下全選手から拍手かっさい。会が終わり、飲み散らかした宴会場を引き上げる際には、柿谷と山口が率先してゴミ集めを買って出たという。「うれしかった。何か伝わったのかな」と北野は喜ぶ。

 退団発表から一夜明けた6日、クラブハウスで北野に会った。戦力外通告は受けたが「いいもの(昇格)を残せたという思いはある」とどこか充実した表情。現役続行の意思はあるが、現在オファーなし。「死ぬこと以外は、かすり傷。次の舞台で頑張ります」と悲壮感などなかった。黒子に徹し、C大阪をまとめた34歳の今後の成功を願いたい。
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