1099676☆ああ 2025/10/09 12:54 (iOS18.6.2)
ベガルタが笑っていた。
あの黄色い渦の中で。
俺たちは立ち尽くしていた。
声が、喉の奥で腐っていく音がした。
「チョロゲーAZS」
その言葉が、まだ耳の奥で反響している。
笑うな。
笑うな。
笑うな。
ドームの外は秋だった。
風が乾いていた。
木の葉が舞うたび、
俺の中の赤黒が剥がれていく気がした。
試合は終わった。
でも俺は終われなかった。
チャントが止まらない。
太鼓も鳴っていないのに、心が打っている。
「走れコンサドーレ」
「立て、コンサドーレ」
ああ、もう誰も走ってはいない。
ベガルタの黄色は、
収穫の色ではない。
俺には、嘲笑の色に見えた。
刈られたのは、俺たちの誇りだった。
風が冷たい。
それでも俺は叫びたい。
この胸の奥で燻る赤黒を、
次の試合に投げつけたい。
「勝て」
「奪え」
「報いろ」
叫ぶたび、喉が焼ける。
でも痛みがないと、生きている気がしない。
ベガルタの影が消えたスタンドで、
俺はまだ戦っている。
秋の空は高い。
だけど、俺の怒りは
それよりも高く、遠くへ昇っていく。
——次に勝つまで、
俺の秋は終わらない。