1116541☆ああ 2025/12/13 10:09 (iOS18.7)
実績
川井健太氏(44歳)は愛媛県出身。現役時代はFWとしてプレーし、早くから指導者に転身。愛媛FCの下部組織や女子部門で着実に指導経験を積んだ後、2018年に愛媛FCトップチームの監督に昇格。ここでは小規模クラブながらポゼッション重視のサッカーを構築し、攻撃的スタイルで一定の評価を得た。
その後、2021年にはモンテディオ山形で戦術家ピーター・クラモフスキー氏の下でアシスタントを務め、より現代的な戦術アプローチを学ぶ機会を得た。そして2022年にJ1・サガン鳥栖の監督に就任。財政的に厳しい鳥栖を限られた戦力で中位(11位)にまとめ、戦術眼の高さを改めて証明した。だが翌2023年以降は苦戦し、2024年途中にはチーム低迷(19位)が決定打となり解任となっている。指導実績はJ1・J2ともに豊富だが、タイトル獲得経験は現状ではない。
川井監督のサッカー哲学:「数的優位の徹底追求」
川井氏のサッカー哲学を一言で表せば「全局面で数的優位を作り出すこと」に尽きる。本人の言葉を借りれば、「個の力で劣るなら2対1を作るしかない」という極めて合理的な発想がベースにある。これは現代サッカーにおける「原理・原則」を徹底し、いかにスペースと時間を創り出すかという問いへの明確な答えでもある。
特徴的なのは、ポジショナルプレー寄りでありながら完全な欧州型でもなく、日本人選手の特性(運動量・規律・献身性)を活かすアジャスト力が高い点だ。鳥栖時代にはGK朴一圭を積極的にビルドアップに組み込み、3バック+GKで4枚、さらにボランチ2枚を絡めて数的優位を形成。これにより相手の前プレを回避しながら後方から安定的にボールを前進させていた。
攻撃面ではウイングバックを高い位置に張り出し、シャドーの流動性を活かす可変式3-4-2-1を採用。守備面ではハイプレス・リトリート双方を柔軟に使い分け、即時奪回(ネガトラ)でも高い強度を発揮していた。
ただし、このスタイルはある程度の運動量・集中力・連動性を前提としており、フィニッシュ精度や守備のリスクマネジメントは課題として残っていた。