662810☆ああ 2023/07/28 01:14 (iOS16.5.1)
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USの処分内容
コンサ一部ファン「固まって応援したかった」 神戸戦・指定席占拠問題の背景に何が?
神戸市で1日に行われたサッカーのJリーグ1部(J1)、ヴィッセル神戸―北海道コンサドーレ札幌戦で、札幌の一部のサポーター集団が他の人の指定席を断りなしに占拠した問題は、札幌の運営クラブ側がチケット代を返金する事態まで発展した。問題の発端は応援を統率するサポーター集団の呼び掛けで「札幌サポーターで固まって応援したかった」ことが理由とされる。専門家は「熱狂的サポーターが陣取るゴール裏は独特な風潮がある」とした上で「クラブはトラブルを予測できたはず」と指摘する。
開始直前に来た人は自分の席が埋まっていて困惑していた。日本代表の青いユニホームを着た人に『追い出せ!』と怒鳴るサポーターもいて、見ていてつらかった」。札幌サポーター側のゴール裏で、購入した席に座り観戦できた兵庫県在住の20代の会社員女性は当時をこう振り返った。
Jリーグの試合会場の両ゴール裏は応援旗を掲げたり、跳びはねて声援を送る熱狂的サポーターが集まることが通例。このため、サポーター同士のトラブル防止などを理由に各チームのサポーター向けエリアが設けられる。当日は札幌向けのビジターシート全席指定が千席用意された。
神戸のユニホームやグッズを身に着けた人はビジターシートに入れないルールになっている。が、関係者によると、サポーター集団が開場前に「神戸サポーターが札幌エリアに入り込んでいるかもしれない。『自由席』にして集まって応援しよう」と、他の札幌サポーターに呼び掛けた。さらに会場内でも後から入場した人に「自由席になった」と話しかけ、前方の席に誘導したという。
サポーター集団は応援団有志で毎試合、ゴール裏最前列で応援を先導。この日観戦した大阪府在住の札幌サポーターの女性(23)は「応援はかっこよく、盛り上げてくれることには感謝している」と語る。一方で「仮に他人の席を使うにしても丁寧な声掛けが必要だった。(今回のような)やり方はよくなかった」と残念がる。
札幌の運営クラブは3日、サポーター集団に聞き取りを実施。神戸戦後は札幌サポーターなどから、問題を起こした集団への処分の有無や返金に関する問い合わせが約150件寄せられたという。
聞き取りによると、アウェー試合で指定席を無断で自由席として扱う行為はこれまでもあったが、通常は空席が多く、購入者に別の席に移ってもらうなどして大きなトラブルには至らなかった。
だが、この日は世界的スーパースター、神戸のアンドレス・イニエスタ選手の退団試合。約3万席のノエビアスタジアム神戸は全席指定で、チケットはほぼ完売していたことも、トラブルの一因になったとみられる。
国内外のサッカー文化に詳しい広島大の上泉(うわいずみ)康樹教授によると、欧州でも応援で集まるため勝手に他人の指定席を使用することはあるが、声を掛け合って柔軟に応じているため、トラブル化していないという。その上で、今回の問題について「いくら仲間のサポーターではなくても、応援に来ている人を排除するような行為はあり得ない」と問題視する。
また、試合を主管した神戸に対しても「大勢の観客が来るためトラブルは予測できた。今回の問題を今後のマニュアル作成に役立ててほしい」と注文した。
札幌はサポーター集団への処分について「総合的な判断」とし、中心メンバーに18日付で厳重注意。25日にはビジターシート購入者にチケット代を返金すると発表した。札幌は「クラブの管理不足だった」と謝罪した。