No.5880
サネッティが遂にアドリアーノを語る
サッカーの世界には無駄になった才能の物語が散らばっている。
しかしアドリアーノの衰退の話以外は共鳴出来ないと言う人が大半を占める。
この大胆なブラジル人は、真の偉人になる為の全て持っていたのは言うまでもない。
しかしパルマとインテルでワールドクラスのプレーをしたのにも関わらず彼のサッカー人生は下向きの軌道をたどってしまう。
10年の年月が経ちインテルの伝説サネッティが遂にアドリアーノとの事を語った。
『我々はレアルと親善試合をしていたが、その試合でアドリアーノは印象的なゴールを決めたんだ。そのゴールを見て私は自分自身に言ったよ。ここに新しいロナウドがいる!。彼は全ての要素を持っていたんだ。フィジカル、テクニック、ドリブル、スピード、シュートってね。』
『ただ私が1つだけ心配していたのはアドリアーノの小さい(良い意味で子供のような)メンタルだったんだ。何も持っていない人が大金を持った時の恐怖は何度も見て来た。本当にそういった環境の変化はやっかいなんだ。私は彼が変わってしまうのでは無いかと心配したよ。』
『そしてある日電話がきたんだ。ブラジルにいる家族からね。彼のお父さんが亡くなったと。』
『私はすぐに彼の部屋に向かったよ。彼は電話を投げて叫び始めたんだ…。私はアドリアーノのそのような悲鳴を想像する事なんて出来なかった…。それから彼は酒に手を出してしまったんだ。その日以来私とモラッティは常にアドリアーノの事を見守ったよ。』
『だがあの電話の日から彼は元に戻れなかった。彼は体重の問題に苦しみ過度の減量生活で限界を迎えてしまった。』
『ある日の夜コルドバがアドリアーノと一緒に過ごしてた時に彼にこう言ったんだ。お前はロナウドとイブラヒモビッチを足したような選手だ。ここまで最強の選手ってのはなりたくてもなれるもんじゃない。ってね。しかし我々は彼を鬱病から救う事が出来なかった…。』
『デビューから引退までのキャリアの中で最大の敗北はなんだ?と言われれば間違いなくアドリアーノを救えなかった事だと思う。それは未だに私を傷つける。私は本当に無力だったんだ…。』
(完)
あれ。書いてて目から水が…。