161008☆ああ 2017/11/07 17:21 (iPhone ios11.0.3)
Jリーグに話を戻せば、鹿島と川崎との勝ち点差は、これで7に広がった。18日に行われる川崎対柏の一戦で川崎が敗れれば、その瞬間、鹿島の優勝が決まる。勝ち点3差まで縮まった時は、川崎が逆転する可能性が高いと思われた。
そこで川崎は、柏に引き分けてしまった。先週の日曜日。台風22号が接近する中、強行された一戦である。まともなサッカーができそうもない最悪のコンディションの中、前半、パスを繋ごうとした川崎。前線に大きく蹴って、身体能力の高い外国人選手を走らせる作戦に出た柏が、試合を優勢に進めたのは当然の帰結だった。川崎は後半、キック&ラッシュに転じ、挽回を図ったが、引き分けるのがやっと。川崎は台風に泣き、鹿島は台風に救われた。本来なら中止にすべき試合を強行した理由は、Jリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯、ACL、代表戦など、日程が立て込んでいたからだという。
ならば川崎は、ルヴァンカップだけは取りたかったはずだが、こちらも決勝で、セレッソ大阪にまさかの敗戦。開始50数秒で、いきなり失点を許し、調子を狂わせた不本意な敗戦だ。
終了間際、駄目の押しゴールを食らい、優勝が100%絶望になれば、外国のサポーターなら、その瞬間、サッとスタンドを後にするものだ。しかし川崎のサポーターは8割方、表彰式までキチンと立ち会っていた。最後までみんなで一緒に応援する日本文化を見た気がした。
この試合のマンオブザマッチ(MOM)には、先制点を挙げた杉本健勇が選ばれた。だが、これも日本的な風習に思えて仕方がなかった。川崎がノーゴールに終わった原因が、守備的MFのソウザの頑張りと密接な関係があることは、誰の目にも明らかだったはず。得点者が安易にMOMに輝くこの習慣。そろそろ、改める時を迎えている。
一方、ソウザの傍らで構えるC大阪の10番、山口蛍は全く目立たなかった。日本代表ではスタメンに近いポジションにいる山口だが、中心選手に相応しい気質を拝んだ試しがない。全体的にそつなくこなすが、チームをグイグイ引っ張るタイプではない。鹿島の守備的MF三竿健斗の方が、僕の目にはよく見える。
山口以上に希薄な存在に映ったのは、元日本代表の清武弘嗣だ。日本代表のメンバーから今回、香川真司が落選したことは大きなニュースとして伝えられた。さらに代役候補に名乗りを挙げたかに見えた小林祐希も落選。となれば、森岡亮太、長澤和輝の前に清武の名前が来るのが自然だ。しかし、この日のプレーを見ていると、そうならない理由が理解できる。ここ1年で急降下した選手。セビージャで、それなりのプレーをしていた去年の今ごろが、すでに懐かしい記憶になっている。
柿谷曜一郎の場合は、さらにその上を行く。2014年ブラジルW杯に2試合出場した実力者だが、それから3年と数か月経過したいま、彼を代表にという声を聞くことはない。
鹿島の優勝で幕を閉じそうなJリーグ。だが、公の場で語りにくい話題は多くある。日本代表が絡むと、その傾向は増す。話の中身は綺麗事になる。特に外国と比較して目立つのが、地方のメディアのパワー不足だ。ハリルホジッチは鹿島の選手をなぜ1人しか選ばないのか。なぜ浦和の選手を今回、急に5人も選んだのか。突っ込みどころ満載なはずのに、放置されてる現状を憂わずにいられない。