日本協会が天皇杯4回戦(2日、名古屋―浦和)で浦和の一部サポーターが相手サポーターに暴行したとされる事件への処分について、臨時理事会を9月上旬までに開くことが23日、分かった。サポーターに対する処分で理事会が招集されるのは極めて異例。複数の関係者によると、クラブには来月中旬に予定している規律委員会で処分を決定する見通しとなっている。
サポーターについては試合運営管理規定に沿った処分が検討されているといい、協会主催試合に加えて、Jリーグも含めた日本で行われる全試合について無期限入場禁止の処分が下る可能性もある。事件から処分の決定まで約1カ月を要したが、映像を使ってサポーターの特定作業などを行っていたため、処分決定の時期が当初の見通しからずれ込んだという。
一部サポーターの“暴徒化”は1985年の欧州チャンピオンズカップ決勝でリバプールとユベントスのサポーター同士のトラブルによって39人が死亡、400人以上が負傷した「ヘイゼルの悲劇」になりかねなかった危険な事案という指摘もある。田嶋幸三会長も事件については「安心安全が損なわれるならば毅然(きぜん)と判断しなければいけない」などと、厳しい姿勢を示していた。