3589336☆ああ 2024/06/15 22:12 (Chrome)
――昨年2月、寮内の冷蔵庫からお酒が見つかった。
「それは事実です。残念ですが、飲酒の量は非常に少なく、口をつけたくらいだろうと報告を受けています。飲酒については我々も見ていたわけではありません。ただ、置いてはいけないものがあった。事情を聴き、精査した結果、反省文を書かせ無期の停学処分にしています。処分した人数は10人前後。昔であれば退学処分でしょうけれど、いまは子どもの将来も考えなくてはいけません。停学は3週間で解除しました」
――飲酒が常態化していたのか。
「ないと思います。もし常態化していれば、私がまったく把握できていないことになり、非常に残念な話になります」
――監督が隠蔽を指示したことは?
「そんな指示はないと信じています。隠蔽しても隠しきれると思っていませんから。サッカー協会や県に対して報告はしていません。退学の場合は報告しなければいけませんが、停学処分の場合はそうした義務はありません。(停学処分を受けた部員の保護者には)疑わしき事実があったから処分しましたという内容を伝えています。他の部員の保護者には伝えていません。教育的配慮から、総合的に判断しました」
後日、改めて校長から書面で回答があった。
「停学処分を隠蔽したということは全くありません。学校ですから、間違ったことがあれば正しく指導し成長を見守ることが最も重要です。そういった観点からも特に公表するという事柄ではありません」
だが、先の部員は訝(いぶか)しむ。
「監督の口止めは間違いありませんし、停学処分のアナウンスは部内にありませんでした。そもそも、飲酒組の部員は発覚後も普通に校内にいて、部活も1週間ちょっと雪かきをさせられた後、練習に復帰していました。本当に停学となっていたのでしょうか……」
教育的観点から過ちを犯した子どもを晒し者にせず、立ち直らせるチャンスを与えるのも必要だと理解できる。だが、問題はその過程で“学校が隠蔽した”と生徒たちに受け止められてしまったことだろう。
冒頭に紹介した黒田監督の著書にはこんな言葉も。
〈組織における問題やトラブルには必ず、目に見える「現象」と、それを引き起こした「原因」が存在する〉
3冠に水を差す格好の今回の「飲酒問題」。無論、“一発退場”にすべきではないとしても、内部で部員の不信を招いた「原因」には思いを巡らせるべきだったのではなかろうか。