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【あの判定の背景】なぜ、PK取り消し? 副審とのコミュニケーションに改善を
清水英斗
2017/6/10(土) 14:26
J1第12節、ジュビロ磐田対柏レイソルの後半9分、柏のFW武富孝介がスルーパスに走り込み、飛び出したGKカミンスキーと接触して倒れる場面があった。一度はPKを示す笛が吹かれたが、主審は副審と協議した結果、一度下したPK判定を取り消し、ドロップボールでの再開とした。選手、監督、観戦者も戸惑う一幕だったが、サッカーのルール上、次のプレーがリスタートする前であれば、主審は判断を取り消すことができる。
この混乱を招いたシーンについて、JFA審判委員会の副委員長を務める上川徹氏は、次のように説明した。
「主審のポジションが遠く、GKがボールに触っていないと判断しました。しかし、実際に笛を吹いた瞬間にはそう思ったが、同時にボールのコースが副審のほうへ変わったことに疑問を持ったとのこと」
ボールのコースが変わったのは、滑り込んだGKカミンスキーがセーブしたからである。実際はボールに触っている。
「もし、そう疑問を持ったのなら、すぐに副審に聞きに行くべきでした。(この様子では)磐田側の異議、アピールを聞いて対処しているように見えてしまいます」
その後しばらくして、コーナーフラッグ脇での協議が始まり、副審は「GKがボールに触っており、ノーファール」と主審に意見を伝えた。この副審のコミュニケーションにも、改善点があると上川氏は説明する。
「副審はすぐに旗を上げて、自分が持っている情報を伝えるべきでした。試合後に話を聞くと、『ノーファールと思ったが、別のところでファールがあったのではないかと思い、伝えられなかった』と言っています」
主審と副審、どちらにも迅速で積極的なアクション、コミュニケーションが求められるところだ。ただし、主審が判定を訂正した判断そのものについては、「ポジティブな評価」と上川氏は付け加える。
「大変めずらしいシーンですが、副審の情報を聞き、ミスを認めて判定を取り消しました。それについてはポジティブな評価をしています。テクニカルな部分では判定を間違えていますが、審判の評価項目の中で、パーソナリティーの部分では高い評価をすべきと思っています」