左ウイングとして先発出場したカズがマッチアップしたのは、その2年前の1986年ワールドカップで2試合に先発出場したブラジル代表右サイドバックのエジソン。
当時の国内トップクラスのサイドバックで、選手としての格はカズよりもはるかに上だった。しかし、カズは臆することなくエジソンにドリブルを仕掛け、キリキリ舞いさせる。尻餅までつかせた。地元観衆は、大喜び。総立ちになってカズの名前を連呼した。
前半42分、右ウイングのパウリーニョがサイドを突破し、ライナー性のクロスを入れる。コリンチャンスの守備陣は、長身CFニウソンをマークしていて、左からゴール前に飛び込んできたカズはノーマーク。カズがジャンプして頭で合わせると、大柄なGKロナウドの横を鋭く抜いた。試合後、カズは「やっと点が取れた。夢を見ているみたい。少し涙が出そうになった」と話している。
カズのプロ入り初ゴールで先制したキンゼ・デ・ジャウーは、後半にもカズのアシストなどで2点を追加。コリンチャンスの反撃を終盤の2点に抑え、3対2で勝った。
「キンゼ・デ・ジャウーがコリンチャンスを倒したのは、実に32年ぶり。ジャウーの町は大騒ぎになり、その日からカズは町の英雄になった」