622441☆ああ 2025/03/13 22:19 (Android)
やっとさん「いつも予測通りに物事が運ぶといったことはありません。そもそも相手が予測通りに動いてくれるとはかぎらない。
むしろ9割以上は、予測通りにいかないといえます。つまり、サッカーの一つひとつのプレーには、絶対的な「正解」は存在しないのです。
試合中はめまぐるしく状況が変化していきます。特にボランチでは、そうした状況を瞬間的に的確にとらえながら、予測と判断を繰り返し、それをプレーとして表現する。その繰り返しです。
よく状況を観察して、頭で考えて予測し、一瞬で判断しプレーをしなさい、というわけです。
プレー中はボールをもっているときも、もっていないときも常に先を予測し、3〜4パターンくらいの選択肢をもつようにしています。ひとつの正解しかイメージできていなければ、その選択肢を敵に潰されてしまったときに万事休すですから。
「先を読む力」は、サッカーのトレーニングと一緒で、「予測→検証→改善」の反復練習をすればするほど予測の精度は向上していくものです。
「先を読む力」は、個人のセンスに左右される部分もあるでしょうが、ある程度は自分で磨くことができます。
僕の場合、試合中や練習中だけでなく、ふだんの生活の中でも予測することがクセになっています。
たとえば、車の運転をしているとき、どの車線を走れば前がつまることなく、スムーズに流れに乗ることができるか、常に考えています。前方の混雑状況だけでなく、バックミラー越しに映る後方の交通量や道路状況なども考慮しながら、自分が走る車線を選択しているのです。
また、家族といっしょにスーパーへ買い物に出かけたときも、どのレジに並ぶべきか、いつも予測しながら決めています。単純に列をつくっている人の数を見るだけでなく、買い物かごの中に入っている商品の数もチェックする。当然、並んでいる人の数が多くても、買い物かごの中の商品が少なければ、列は早く進むはずです。
見逃しがちなのは、レジを打つ店員の熟練度。ベテランの店員だと手際がいいので、素早くお客さんをさばいていくけれど、反対に、レジ打ちに慣れていない新人のアルバイトだと倍の時間がかかることもあります。
こうした要素を総合的に判断して、自分が並ぶべき列を決めていくのです。
もちろん、迷ってもたもたしていれば、他のお客さんに先を越されてしまうので、瞬時に判断するスピードも重要です。このような日常生活での小さな予測を、意識して何度も繰り返していくと、精度も高くなり、判断スピードも上がっていきます。
「遊び心」が発想力につながる
たかが車の運転、たかがレジの列かもしれません。遊び感覚で楽しんでいるだけで、実際にサッカーのプレーにどう影響しているかは正直わかりません。
でも、どんなことでも予測する練習を繰り返すことで、確実に精度を高めることはできます。少なくとも僕は、遊び心をもちながら日常を過ごすことは、サッカーのプレーの質を高めることにつながると信じています。
進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示したといわれています。」