51307☆あ 2015/04/02 20:37 (Chrome)
男性
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■指揮官の巧みな人心掌握術
試合前日を中心に、練習後の監督の囲み取材が恒例化しているが、そこから出てくる言葉はときに厳しいものが並ぶ。あるベテラン記者に言わせれば、「監督が選手を素直に純粋に褒める言葉をあまり聞いたことがない」(笑)となる。が、その厳しい言葉の裏には、巧みに選手を思いやる心が宿っているというのも、また共通した見方だ。
あるクラブ関係者は、「(監督)自身がもつ自分への厳しさ、それから自身が経験してきた厳しい環境が、一言一言の厳しさにつながっていると思う」と説明。そしてこう続けた。「例えば、その厳しいことがメディアを通じて選手に伝わることで、選手は『自分のことを気にしてくれている』と思う場合もある。実はそのあたりも考えた発言をしている可能性がある」と。
クラブハウスや練習中には、とにかく大勢の選手に声をかけていく。例え、ほとんど出番がない選手にもレギュラークラスにでも同じように対応する。前出の関係者は「その気配りには頭が下がる。これから、監督の力で成長や復活をする選手が増えると思う。指揮官として適任だと思う」と繰り返す。
栃木戦で後半途中から出場し、試合を決める2点目を押し込んだFW中村も、磐田で復活した選手と言っていいだろう。海外でのプレー経験もある中村だが、昨年の岐阜ではほとんど出番がなく、半ば蚊帳の外扱いだったという。そして今季磐田に加入したが、FW陣ではジェイやアダイウトン、森島の陰で目立たない存在だった。それでも「いつでも出られる準備をしていた」とチャンスを待ち、ようやく第4節の途中から出場すると、ゴールはならないまでも存在を大きくアピール。そして迎えた栃木戦だった。
クラブ関係者は「中村の高いモチベーションは、監督からの声掛けや気配りが大きいと思う。中村も起用されたら期待に応えたいという、信頼関係が結果につながった」と力を込めた。