8657☆ぺぺチ 2025/09/11 22:43 (iPad)
続き
・鹿島時代の経験生かし「守備的なスタイルにシフトした」
「今、ウチにいるメンバーを見て、どういうパフォーマンスができるのか、何がストロングか、弱点なのかを理解しながら、チームを作っていくのが現実的なアプローチだと思うんです。僕が鹿島で現役だった頃を振り返っても、ジョルジーニョやレオナルドがいれば、自分たちがボールを持って主導権を握りながらのサッカーができました。だけど、2000年代以降はヤナギ(柳沢敦=鹿島トップコーチ)と隆行(鈴木=現解説者)の得点力が思うように伸びなかったこともあって、守備的なスタイルにシフトしましたよね。やはり、その時々にいる選手たちの特徴を生かしながら、戦い方を定めていくのが、最適解だと僕は考えます。
今の高知は攻撃的なマインドを持つ選手が多いし、ずっと守備ばかりしているチームじゃない。守備力を引き上げることも大事ですけど、彼らのアグレッシブさを生かした戦いをしていくほうが彼らもやりやすいと思いますね」
そういう秋田監督のアプローチの中から、小林心という2桁ゴールを挙げて得点ランク首位に立つストライカーが出現した。彼は流通経済大学を卒業した2023年にJFLの高知入り。2年間着実に実績を積み重ねてようやくJの舞台に這い上がってきた。
「開幕10試合くらいで2ケタ得点できるという想定は全くなかったですけど、今までやり続けてきた結果。スピードや決定力という部分は通用しているなと感じます。僕がこの環境を選んだのは、この先のステップアップのチャンスがあると考えたから。最終的にはJ1で点を取れる選手になることを目標に掲げていますし、流経出身のJ1プレーヤーと戦いたいという夢もあります。特に僕の1つ上には、安居海渡(浦和)、宮本優太(京都)、満田誠(G大阪)、佐々木旭(川崎)、家泉怜依(札幌)という面々がズラリと並んでいました。だからこそ、僕にとってはトップ基準が明確ですし、満足することは一切ないですね」と小林本人も語気を強めていたが、高知のメンバーは「今はまだJリーグの一歩目に過ぎない」と考えている。その野心の強さ、飽くなき向上心も秋田監督がチーム強化を進めるうえでのアドバンテージになっているはずだ。
5「誰よりも走って点を取りに行く回数を増やさないと高知は勝てない。守備も先手を取るアプローチを早くして、距離感も近くすることが大事。そういう個々のベースに戦術を組み合わせて、効率よく戦えるように仕向けています。それを積み重ねていけば、本当に優勝を狙える集団になると僕は考えています。お金がない分、取れる選手も限られていますけど、彼らとともに成長していけると信じて突き進むしかない。まだまだ先は長いですよ」と気を引き締めた秋田監督。このチームがJ3の台風の目になる可能性は少なからずありそうだ。