No.241172
について考察しましょう。
先に結論としては、「金はあんまりなく既に借入もしているが、ここぞという時の借入余力はまだありそう」です。
なおYear ended 31 May2020 ですので、読まれてる方も多いであろう1年前のものです。
同社はPrivate Companyつまり未上場ですので、四半期の開示義務はなく、これが現時点で最新のものです。そろそろ2021が出る頃かと思います。
--------------------------
(P17)CF
まず直接的なキャッシュ残を示すのは、
Cash and Cash equivalents 149,293(≒223億)
ちなみに前年は37,525(≒56億)
営業CF:+93,768(≒140億)
投資CF:▲119,183(≒178億)
うち固定資産取得:▲39,360(≒59億)※主にトレーニング施設のはず
うち移籍収支 :▲89,523(≒134億)
財務CF:+139,016(≒209億)※ほぼ銀行借入
※CFはキャッシュフロー、センターフォワードじゃないですよ。
--------------------------
ふむ、本業からのCFを示す営業CFと移籍収支がトントン、つまりこの年だけみると、儲かった分移籍にオールインしとるな、ということがわかります(ちなみに前年はそこまででもありません)。
もちろんこれはCashの動きなので、過去の契約に付随して分割で払ってるものとかもあるでしょう。
加えて、この年はトレーニング施設への投資があります。
ところが前年末の残高は56億、儲けと移籍収支がトントンで、追加投資59億?お金が足りません。どうするんだ?!
ご安心を。そんな時のために銀行があります。220億を借りました。
トレーニング施設への投資は合計75億とか言われてましたから、この後払うものもあり、借入が必要だったのでしょう。
--------------------------
(P13)BS
Creditors: amounts falling due within one year(短期借入金):314,663(≒472億)
--------------------------
これで短期借入の総額は472億となったようです。
あれ?これって仮に、移籍収支を±0にして、現預金残高223億と営業CF140億を突っ込んでも返せないじゃないか??
となります。
まぁそうなんですが、大きく企業の与信が傾かない限り、大体は借り換え(返済期日を延ばす)ができます。
この借入の額が適正か測る指標はいくつかありますが、売上との比を取ったり資産との比を取ったりします。
年度の売上が730億くらいなので、対売上で言えばほぼ65%くらいになります。
リバプールは何事もない年が普通に利益が出る企業ですから、もしここぞ、という投資タイミングがあるのであれば、対売上比率100-120%くらいまでレバレッジかけることは可能で、そうすると追加で最大400億程度の借入余力はありそうです。
経営者として普通に考えるのは、移籍収支を営業CF内に収めた上で少しずつ借入返済したいですから、▲100-120億程度が移籍収支のターゲットというのが合理的に見えますね。