どれほど時間が経っただろうか。きっとまだ17時のはず___俺は目を開けて愕然とした。なぜなら、目の前のカレンダーには2056年の文字があったからだ。どうやら俺は、30年間も眠り続けていたらしい。
身の回りや環境全てが変わっていることを少しずつ受け入れた俺は、そういえば「浦和レッドダイヤモンズ」はまだ存在するのかと気になり、現代では当たり前となった移動手段・どこでもドアで埼玉スタジアムへと向かった。
かつて俺は浦和レッズのゴール裏で声を張り上げ、浦和レッズの勝敗に感情を支配され、心から愛していた。埼玉スタジアムへの道。いつの間にか増えていた写真には、田中達也やマテウスサヴィオ、渡邊凌磨、…お。年をとった荻原も写っていた。西川は2036年に引退したらしい。肥田野はずいぶんと逞しくなって、浦和レッズで現役生活を終えたようだ。
We are Diamonds、風にのって懐かしのメロディが耳に入る。どうやら試合には勝利したようだった。30年経っても変わらぬメロディに涙腺が熱くなるのを感じながら、俺はあの頃より少しコンパクトになった埼玉スタジアムへと足を踏み入れた。