99364☆ああ■ ■ 2020/11/09 13:33 (iPhone ios14.1)
今昔物語
片田舎に、大きな男が営むパッとしない食堂がありました。
ある時、昔気質の頑固そうな調理人を雇いました。
その調理人は使われて無い食材の中から、自らの五感を駆使して宝となりうる食材を探して提供をはじめました。
遠い北の地にも、新しい味を求めて自ら出向いた事もあったとの噂です。
村人は素早い調理や安くても高級料理店に負けない味に感銘を受け足繁く通いました。
先行きも明るいと思われていたのも束の間、昔気質の頑固さが災いしたのか大切な食材の多くを流失してしまい困り果ててしまいました。
食堂を営む大きな男は、頑固な調理人のレシピがあるから別の調理人でも大丈夫だと思い調理人を切り捨てました。
そして異国の調理人と異国の高級食材を入手して場を凌ぎました。
しかし欲に駆られた大きな男の経営者は進出を目論み異国の調理人までも切り捨てて、調理人名鑑に乗っている有名な調理人と手を組む事にしました。
その有名な調理人は各地の有名な食材を安く手に入れる方法などを駆使したり、生け簀なる手法も得意としていました。
当初は有名店の仲間入りかと思われたのですが、実は有名な調理人は知識ばかりでまるで調理経験は無く、挙句は味覚障害かとも思われる味つけで客足も日に日に遠のきました。
昔、皆が大好きだった調理法も、少し残っていた光り輝く食材も殆んど無くなり、足繁く通っていた人々も少なくなってしまいましたとさ...