28511☆つかさ 2014/11/23 17:56 (none)
0−0で迎えた後半、甲府のゴール裏は「夢叶う小瀬」をずっと歌い続けてチームを後押しする。前半の選手入場のときにきれいにバックスタンドに浮かび上がったプラカードで作った「VENTFORET」と「武田菱」のコレオグラフィーもそうだが、雰囲気つくりは完璧。そんな中、後半の出だしは前へのパワーが増していたが、57分にペナルティエリアに入ってきた森崎和幸に対して畑尾の足が少し遅れて入り、プロ初イエローカードでPKの判定。
キッカーの佐藤はGKが読んでくる方向にあえて蹴った。GKの荻晃太は9対1の確立で得意なほうに蹴ると思って左に飛ぶ。方向は合っていたが、荻が「蹴られた瞬間に、やられた」と思うほど手が完全に届かない枠のギリギリのコース。そしてボールは荻から見て左のポストに当たってゴールラインギリギリを転がって逆のポストには当たらず、ゴールラインを割った。ポストに当たってちょっとだけスピンがかかっていたのだろう。前半2分の塩谷のワンタッチシュートと佐藤のPK、甲府は運をまだ使い果たしていなかった。
直後、城福監督は盛田剛平に代えてクリスティアーノを投入する。キレのあるスピードに強引をトッピングしたドリブル突破は相手のDFを相当に疲れさせる。C大阪戦でもクリスティアーノの登場で流れを引き寄せているだけに、期待通りに圧力がアップした。失ったボールを高い位置で奪い返すパワーもチームに戻ってきた。
そして、65分に今度は甲府にPKのチャンス到来。阿部拓馬がペナルティエリアのギリギリ隅で倒れされた。このとき、甲府サポーターの応援も阿部拓馬の背中を押しているから、より勢いよく倒れたかもしれない。このPK、クリスティアーノも蹴りたそうだったが、キャプテンの山本英臣が左に決めて甲府がついに先制。
広島は2枚替えでテクニシャンの高萩と重FW皆川佑介を投入してくる。しかし、先制されたことで広島のパスワークにも焦りが出たのか起点のミスが出始め、甲府にカウンターのチャンス増えた。その3発目だったと思うが、スペースに走り込んだ新井涼平にマルキーニョス パラナがいい塩梅の縦パスを入れる。新井は広島ゴール前で長い足で切り替えして、DFから少し距離をとって落ち着いて右足で蹴り込んだ。J1、38試合目の初ゴール。これまでもパンチ力のあるミドルシュートは何本も打っていたが、初ゴールはトータルで60近く走ってから決める乳酸系ゴールだった。このゴールでスタンドのファン・サポーターは実質的なJ1残留を確信したと思う。記者席の後ろで見ていたジウシーニョも「ボネパウリウマーゾ、ファザロアン」と聞こえたポルトガル語で多分大喜び。この77分のゴールが試合をこのまま決めてくれた。