178473☆ああ 2023/12/01 09:08 (K)
>>178470
ボールをしっかり掴んだマテウスが顔を上げると、ひとりハーフウェイラインから敵陣に猛ダッシュしている選手の背中が見えた。そう、アルハンだ。インドネシアから来日して1年、出場の機会はリーグ戦一試合、天皇杯一試合目に留まっていた彼だが、この大舞台に向け、ひとり調整を重ねてきた。インドネシアの多くのファンの思いを、そして何より愛するヴェルディに昇格を!そう思いながらアルハンは全力で走り出した。その思いを汲み取ったマテウス、渾身の力でパントキックをする。ボールは相手DFの頭上を超え、走り出しているアルハンにとおる!キーパーと一対一、熱狂の国立、しかしアルハンはそこに静けさを感じていた。「相手のキーパーがどちらに飛ぶか分かったんです。」後にこのシーンを振り返ってアルハンはこう語っている。「すべてがスローモーションで、シュートを打つ前からゴールを決められるという不思議な確信がありました。」