差分
No.6553
改変してみた
本拠地、味の素スタジアムで迎えた讃岐戦
讃岐に先制点を取られ、攻撃陣も勢いを見せず惨敗だった
味スタに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は降格だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、平本は独りベンチで泣いていた
天皇杯で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる監督やチームメイト・・・
それを今のヴェルディで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」平本は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、平本ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」平本は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、平本はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した平本が目にしたのは、メインスタンドまで埋めつくさんばかりの観客だった
改修中のはず国立には、地鳴りのように歓声が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする平本の背中に、どこか懐かしい声が聞こえてきた
「一樹、試合前練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った平本は目を疑った
「カ・・・カズさん?貴方は今横浜じゃ?」  「なんだ平本、俺に対する嫌味か?」
「は・・・柱谷監督?」  「なんだ一樹、かってにテツを闘将にさせやがって」
「都並さん・・・」  平本はパニックになりながらスコアボードを見上げた
GK 1菊池 新吉
DF 2中村 忠
DF 3ペレイラ
DF 4加藤 久
DF 6都並 敏史
MF 5柱谷 哲二
MF 8ハンセン
MF 10ラモス瑠偉
FW 7平本 一樹
FW 9武田 信宏
FW 11三浦 知良

暫時、唖然としていた平本だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
マイヤーからユニフォームを受け取り、グラウンドへ全力疾走する平本、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている平本と飯尾が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った

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