331368☆ああ 2021/06/08 13:14 (iPhone ios14.6)
古橋は、元バルセロナでスペイン代表だったペドロ(現ローマ)に少し似ているところがある。
ペドロはアタッカーとしては小柄だが、優秀なスプリンターで、裏を取る動きが巧みだった。ゴールに近づいてもプレーの質が落ちず、左右どちらの足でも蹴れた。そして頭の回転が速く、トータルなプレーヤーで、リオネル・メッシやイニエスタとの連係も際立っていた。
「古橋はゴールを奪える選手で。ゴールを奪うことでそれが自信にもなる。それだけに、右、左、それにトップとポジションを動かすのは、ペースを握るところで難しいかなと思いましたが......」
タジキスタン戦後、森保一監督はそう説明している。
「古橋とは話をして、『申し訳ないけど、攻撃はどこでもプレーできるようにしてほしい』と求めました。彼はそれをポジティブに受け止め、全力でプレーしてくれたと思っています。最後はトップで"ゴール前で勝負してほしい"と思い、90分間プレーさせました。かなりのハードワークで、(ポジションをたくさん変えて)頭の中はグルグルしていたかもしれませんが。最後までよくトライしてくれたと思っています」
しかし、そんな古橋もW杯メンバーを考えた場合、当落線上にいる。
日本が同点にされる前のプレーで、右サイドで奪い返したボールを受けた古橋だが、呆気なく奪われてしまった。失点につながる連鎖に、彼もいたのだ。そのディテールを突き詰めない限り、世界では戦えないだろう。
Jリーグでプレーする古橋にとって、ワールドカップは簡単な挑戦ではない。欧州組は日常から追い込まれ、研ぎ澄まされ、分厚さを身につけている。それはもはや定理だ。ただ、古橋には唯一無二のアドバンテージがある。神がかったイニエスタの教えに導かれることで、そこにも定理はある。
6月11日のセルビア戦は地元、神戸での一戦となる。