神戸のDF岩波拓也(22)がリオ五輪代表の最後の1枠に滑り込んだ。
5月21日のトゥーロン国際パラグアイ戦で左膝内側側副じん帯を損傷し、全治6週間の重傷。手倉森誠監督(48)は柏のDF中谷進之介(20)と最後まで迷ったが、回復を信じ14年1月のチーム発足から主力だった男を指名した。神戸で初の五輪代表となった岩波は、9日の鳥栖戦(ノエスタ)で復帰を目指す。
悪夢を見た男が、晴れやかな表情を浮かべた。岩波は午前中に神戸市内でリハビリを終え、クラブハウスでチーム関係者から吉報を聞いた。午後からノエスタで会見に臨み「ホッとしたのが正直なところ」と喜びをかみしめた。
5月のパラグアイ戦で左膝内側側副じん帯を損傷し、全治6週間と診断された。6月29日の南アフリカ戦をテレビ観戦し「代わりに出た選手(中谷)が活躍して厳しい状況と思っていた」と不安に襲われたが、手倉森監督からの電話で救われた。連絡があったのは30日の午後6時ごろ。メンバー入りを確約するような言葉はなく、回復具合を聞かれただけだったが、岩波は選出を確信したという。
手倉森監督は「岩波の回復状況は予測での計算でしかない。慎重だったし大きな決断だった」と最後まで迷っていた。「コンディションを持ってこられると確信した。南ア戦でサポーター席に『岩波』と書いてあるのが、やけに目立った」。チーム発足後、3番目に多い2174分に出場した主力に最後の切符を渡した。
神戸では初の五輪代表となり、岩波は「ひとつでも恩返ししたかった」と喜んだ。チーム関係者は「メダルを取れば、三木谷会長にご褒美をお願いしたい」とおねだりし、日本時間8月8日のコロンビア戦はノエスタでパブリックビューイングを行うことを明かした。来週からは全体練習に合流する予定で、9日の鳥栖戦での復帰を目指す。「メダルが最大の目標」。あきらめかけた大舞台で、生粋の神戸っ子が暴れ回る。(伊井 亮一)