106722☆joanjett 2020/02/21 12:37 (SO-02J)
男性
『それでも』
彼らは知ってる。
報われない努力があることを。
諦めなくても叶わない夢があることを。
人生が運に左右されることを。
「この怪我さえなけりゃ…」
「おまえほど才能があれば…」
「あのシュートが決まってれば…」
そう言ってピッチを去った多くの仲間やライバルを見てきたから。
それでも、
彼らは体を投げ出して、
転がっても、また起き上がり、
最後の一秒まで走り抜く。
可能性とか、
効率とか、
常識とか、
そんなこと言ってたら、何も手に入らないことを知ってるから。
僕らは知ってる。
あの日、奥歯を噛んで流した涙を。
ピッチに崩れ落ちた背中を。
ベンチにも入れないのに、最後まで練習に付き合っていた選手のいることを。
だからこそ、
僕らは声を枯らし、
赤くなるまで手を叩き、
彼らとともに涙する。
彼らを見てきたから、
彼らを信じてるから。
あと一歩とか、
もう少しとか考えてたら、
きっと、昨日にも届かない。
あの日の悔しさは、
積み上げるための糧ではなく、
情熱に注ぐ燃料でしかない。
彼らは、
僕らは、
また、スタジアムに集う。
準備はいいか?
さぁ、開幕だ。