96204☆joanjett 2019/11/07 18:25 (SO-02J)
男性
北の大地に学ぶ
随分遠くへ行っちまったなという印象。
コンサドーレ札幌のこと。
かつては、JFL、J2で苦楽を共にした仲間が、今やタイトルをうかがう勢いだ。
何よりうらやましいのが、日本代表選手の選出。
今回のA代表には、鈴木武蔵と進藤亮佑の2人が選出されている。
今回は選に漏れたが、福森晃斗も代表クラスの左足を持っているし、U−22には、菅大輝と田中駿汰(加入内定)を輩出している。
北の大地の雪をも溶かす熱狂が目に浮かぶ。
この進撃は、2013年の野々村芳和社長の就任から始まったと言っていい。
この年、強化費が5億円から2億5千万円に半減されたにも拘らず、大胆な人員整理と効果的な補強。タイのクラブとのパートナーシップ提携やユースからの大量昇格といったドラスティックな手法でクラブを上昇気流に乗せた。
特筆すべきは、それらの方策が、大きな副産物を伴いながら実を結んだこと。
タイのクラブとの提携は、チャナティップの獲得に繋がり、ユースから昇格した深井や菅は、主力へと成長した。
これにより、タイ人サポーターや地元のコアサポーターが増加、観客動員は、2013年からの5年間で、21万人から31万人へと10万人もの伸びを見せた。
経営面でも、この5年間で、営業収益は3倍弱(1,071百万円→2,988百万円)、人件費に至っては4.2倍(359百万円→1,502百万円)と飛躍的な成長を遂げている。
成功の要因を、様々なメディアが論じているが、個人的には、『サポーターズファースト』の視点にあると思う。
予算削減とチーム強化という二律背反の命題に直面した時、彼は、"予算を削りながらサポーターを増やす方法"に活路を見出した。
一時的にチームが弱体化したとしても、郷土の若手が入団するなら、地元サポーターも納得せざるを得ない。
タイという新規開拓地なら、前年との比較をされずに純増を狙える。
この姿勢が、勝っても負けてもスリリングな展開となるミシャ・サッカーの導入にも繋がっている。
プロスポーツは、見世物。
ただ強いだけでは、人気を得られない。
大切なのは、「何がサポーターの心を掴むのか?」という見極めだ。
翻って、我らが徳島ヴォルティス。
終盤を迎えて、最高潮の盛り上がりを見せている。
成績とともに話題性も高まっており、FC横浜戦は、久しぶりの1万人超えも視野に入ってきた。
ユースからの昇格、地元選手の獲得、攻撃的なスタイルの導入など、ほぼ、札幌を踏襲する形で進めてきた強化が、実を結びつつあるのかもしれない。
しかし、代表選手の選出というレベルには、まだかなりの開きがある。
ここが、ブレイクスルーの分水嶺だ。
フロントには、代表選手輩出を明確な目標として、掲げてもらいたい。
東京五輪、カタールW杯が無理でも、パリ五輪なら間に合う。
パリ五輪から逆算して選手を獲得するなら、今年度の高校3年生から下の世代がターゲットになる。
リカルドサッカーの認知度が高まり、『ヴォルティス徳島』のブランドイメージができつつある今、スカウトにも追い風が吹いているはず。
ぜひ、帝京長岡の田中克幸や丸岡の田海寧生、尚志の小池陸斗といったJの内定が出ていない3年生を口説き落としてほしい。
なんなら、青森山田の藤原優大や桐光の奈良坂巧、米子北の崎山友太といった2年生の逸材に声をかけてもいい。
我らが誇る青と緑の戦士が、もう1つの"ブルー"を身にまとい、パリのピッチに立つ。
そんな胸躍る瞬間を、私は待ち焦がれている。