97189☆ああ 2019/11/21 12:19 (iPhone ios13.1.3)
17本のうち、勝負パスは2本。
起点となったスローインを含め、実に17本のパスがつながったゴール。このつなぎで特筆に値するのは、いわゆる勝負パスが2本しかないことだ。スローインからの15本のほとんどは、横パスやバックパス。縦につけても、すぐ戻す。
観る人によっては「縦に入れろ」、「勝負しろ」と怒り出すかもしれないが、これがリカルド流である。
スペイン生まれの指揮官は、3年前の就任会見で自身のポリシーについてこう語った。
「やりたいのは“ポジショナルプレー”です。簡単に言うと、相手のボールを素早いプレッシャーで奪い、できるだけ長い時間ボールを保持してゴールを目指していく」
リカルド監督は影響を受けた指導者に、同郷のペップ・グアルディオラを挙げているが、実際にペップの確立したポジショナルプレーが徳島に色濃く反映されている。
無理せず、慌てず、攻め急がず。
敵のプレスを適度に受けながら、いいポジショニングとテクニックを駆使することでボールをつなぎ、最後のところで勝負を仕掛ける。このスタイルには、無理をしないことで体力の浪費が抑えられ、頭と身体がフレッシュなままでプレーできるという利点がある。
プレッシャーがあることで強くなれる。
最後に、主力唯一の外国籍選手であるヨルディ・バイスに徳島のスタイルについてたずねた。
「ボールを支配して敵陣でゲームを進める。そんな徳島のスタイルが好きで、このチームに加入したんだ。今日は敵のプレッシャーを自陣で受けることになったが、プレッシャーを受けること自体は嫌いじゃないよ。敵からのプレッシャーや外的なプレッシャーがあることで強くなれるからね」
今季7ゴールと得点源にもなっている、オランダ生まれのセンターバック。卓越した守備力に加えて、優れた展開力を備える彼は、徳島のパスワークの源流となっている。
「いつでもプレッシャーをかいくぐって、ソリューションを見つけ出すよ。それが私のクオリティの一部だからね。5人が寄せてきても、フリーの味方を見つける自信はある。そうしたプレーは、フェイエノールトのアカデミー時代に身につけたんだ」
限られた素材を最大限に生かし、賢いプレーを植えつけたリカルド・ロドリゲス。昇格レースの行方はわからないが、Jリーグきっての指導者であることは間違いない。