1382353☆ああ 2025/11/09 19:32 (iOS18.7)
ビルドアップの目的がちょっと曖昧になることが多かったかなと。
リスクを承知でわざわざ後ろからGK含めてボールを繋いでいくのだから、本来そのリスクを冒すだけのリターンを得るべき。問題はどこでそのリターンを受け取るか。誰に、どこで、どんな状態でボールを送り届けるのか。そこが見えにくい部分はあった。
たとえばロティーナセレッソは、いかにして清武と坂元に彼らの得意な形でボールを持ってもらうかというのがビルドアップの目的だった。じゃあ、小菊セレッソはいったい誰にどういう形でボールを持ってもらうために後ろから繋いでいたのか。設定されているはずなんだけど、外から見ているとなかなか伝わってこなかった。
そこがハッキリしないせいか、一度手詰まりになるとなかなか打開策を見出せなかった。ビルドアップのゴール地点が明確であれば、あとはそこへ向けてどうボールを運んでいくか、そのためには誰がどこに立つのか…と整理していけるんだけど、どうもそういった臨機応変な対応が苦手なチームだったなという印象だ。
で、こういうことを書くと「ロティーナのときはそうではなかった」と言われそうだけど(そもそも自分がロティーナを例に出しておきながら申し訳ない)、そのロティーナだってヴェルディとセレッソでは上手くいったが、エスパルスとヴィッセルでは上手くいっていなかった。要はそのとき在籍している選手や、クラブの環境、その他もろもろ多くの事に影響を受けるのだから、ロティーナが正解でそれ以外はどう、という話がしたいわけではない。
それに、今のJリーグで組織的なビルドアップを構築できているチームなんてほとんどない。ゼロではないけど限りなく少ない。上位陣の中で、静かな展開から慎重にボールを運んで攻めているのはガンバくらいではないか。それ以外の上位陣はほとんどが強度ベースのチーム。つまり小菊さんがやろうとしていた、強度ベースのチーム作りはは流行りと言えば流行りだし、今のJで上位に位置する多くのチームと(かなり大まかな分類ではあるが)同じ方向だったとは思う。
だけど気になったのは、攻守それぞれの局面において、細かく作りこんでいくが故に、それぞれの繋がりが薄くなってしまいがちなところ。
たとえば、ある試合で攻撃面、特に相手を押し込んでからのファイナルサードでの崩しの部分で何かが上手くいかないとなると、次の試合までの1週間でそこを徹底的にトレーニングしてくる。
すると次の試合では、「崩しの局面ではこれがやりたいんだろうな」というものは見えてくる。練習の成果だろう。
でも一方で、崩しの局面のデザインを変えたが故にそれ以外のところ、例えばそこに至るまでのボール回しや、失った瞬間の切り替えのところがハマらなくなったりする。こういうところが、各局面でつながりが希薄になりがちだと思う理由。
すると次の試合までの1週間で、今度は切り替えの瞬間を徹底的に鍛えてくる。もしくはボールの運び方を鍛えてくる。するとそこの部分は改善されるが、他の部分が…の繰り返しだ。何かに手を加えて修正したら、別の部分で綻びが出る。またそれを修正する。だから小菊さんのサッカーはあまり完成することはない。
長いけど今年も鳥栖で同じ失敗をしたんだなって感想