997953☆ああ 2023/10/24 17:46 (iOS17.0.3)
男性
有料記事ではないので。

<勝つか、負けるか>

 そろそろJリーグも、違う物差しを持つべき時が来ているのではないだろうか

「今日のような試合を続けることができれば、いつかは幸運にも恵まれるでしょう。楽観的なわけではなく、我々はそうやって戦わないといけないし、戦えるはずです。ただ、札幌は25年くらいの歴史のなか、昇格してもすぐに降格し、4,5年後に再び昇格し、ということを繰り返してきました。それが今はJ1で7シーズン目。コンスタントにJ1で戦うことが、そもそも簡単ではないのです」

 財政的に恵まれているわけではない札幌は、主力を毎年のように引き抜かれるなかでも、その都度、台頭する選手を輩出してきた。ひとりの指揮官として、これは至高の成果と言える。横浜FMのケヴィン・マスカット監督が、ある意味では名将アンジェ・ポステコグルー前監督の遺産を使い果たし、スピードとパワーに特化したチームでタイトルを勝ち取った成功よりも、それは小さいと言えるのか。

【弱者には弱者の作法と価値観が】

「田中(駿汰)、小柏(剛)は大卒、岡村(大八)はJ2群馬、馬場(晴也)もJ2東京ヴェルディ、中村(桐耶)は(札幌の)ユースからJFLのHonda。浅野(雄也)は(サンフレッチェ)広島から来たが、ほぼベンチメンバーだった。そういう選手が多いなかで、王者マリノスと渡り合える。そこを頭に入れてほしいし、努力してすばらしいプレーを見せた彼らを、私は誇りに思う」(ペトロヴィッチ監督)

 どんな戦力(予算規模)で、どんな戦いを見せているのか。それを踏まえて、チームをジャッジすべきなのだ。

 たとえばスペインのラ・リーガでは、昨今、ジローナ、ラージョ・バジェカーノ、オサスナがセンセーショナルな攻撃的プレーで好成績を収めている。メディアやファン・サポーターは、ビッグクラブにも互角のサッカーを挑み、ボールを持って攻める姿勢を礼賛。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」は勝負の原則だが、弱者には弱者の、強者には強者の作法が求められ、価値観も違う。

 だがJリーグは、プロ野球の影響もあるのか、「どのチームも優勝できる」という意識が強い。もちろん、その可能性があるからこそエンターテイメントとして成立しているのだが、現実には優勝を狙える戦力規模のチームは限られているのだ。

 札幌の場合、シーズン中も頭角を現した選手は狙われる。今シーズンも、攻撃の中心的存在だった金子拓郎が7月にNKディナモ・ザグレブへ移籍。その穴を埋めるのは簡単ではない。

 ペトロヴィッチ監督はそう言うが、そのジレンマはサガン鳥栖にも当てはまる。川井健太監督が率いる鳥栖も、ほとんどの選手がJ1でレギュラーとしてシーズンを通して戦ったことがない。にもかかわらず、小野裕二、長沼洋一など多くがキャリアハイの数字を記録。J1最下位の予算規模で、順位も中位に位置している。プレーの仕組みをチームに植えつけた成果で、上位チームにも真っ向勝負を演じてきたのだ。

 以前、ペトロヴィッチ監督は試合後の会見で、わざわざ鳥栖に言及したことがあった。川井監督にシンパシーを感じているのは、必然と言えるだろう。

 勝敗だけでなく、プレーそのものを楽しめるか。その醍醐味を知ることで、Jリーグも次のステージに進むことになるはずだ。
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