No.54774
 リーグ開幕前、J1鹿島には「降格候補」との声もあった。低評価を覆し、3位に食い込んで2014年を終えた。「2年計画」で進めた世代交代が背景にある。
 12年シーズン、主力の高齢化が進み、過去最低の11位に沈んだ。そのオフ、鈴木満強化部長が新たに指揮を託したのはトニーニョ・セレーゾ監督だった。00〜05年に鹿島を率い、MF小笠原ら1979年生まれの「黄金世代」を育てた人物。「2年かけて若手を鍛え上げる」と方針を定めた。
 「主力の調整ではなく、控えを主力に近づけようと練習を組み立てる」(鈴木部長)というセレーゾ監督。基礎の反復を怠らない練習は、夏場も時に3時間を超えた。5位に持ち直して13年を終え、宣言した。「素地は整った。あとは舞台を与えるだけだ」
 迎えた今季。2年目のFW豊川、DF植田を開幕戦でデビューさせた。植田は定位置を奪い、豊川は控えの切り札になった。「プラチナ世代」と呼ばれる92年生まれのMF土居とDF昌子は、すでに主力で同年代のMF柴崎と共に全試合出場を果たした。新人のMFカイオはベストヤングプレーヤー賞に輝いた。
 編成の妙もある。FWダビが10月に負傷すると、1トップの代役は新人の赤崎一人。有望株の自覚を意図的に促す仕掛けで、先発として独り立ちさせた。
 優れたスカウト網で新卒の逸材を集め、育てるのは鹿島のお家芸。秋田、本田、名良橋、中田、岩政……。ベテランの円熟期と若手が伸びる時期を重ね「試合巧者」「献身」の伝統を数珠つなぎに受け継がせる工夫も施す。控えに甘んじた35歳の本山が練習を引っ張り、若手に助言するのは「先輩が僕らにそうしてくれた」から。そのチームづくりに、育成やクラブの個性確立がリーグの課題と考える村井満チェアマンも注目する。

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