清水スポーツ
No.82608
サッカー戦術考察:ミラーゲーム 戦術の熟成と多様化の副産物
ミラーゲーム:両チームが同じフォーメーションで対戦している状態のこと、そのような試合のこと。

近年Jリーグでは、 「ミラーゲーム」 という言葉がよく使われます。
ミラーゲームとは、両チームが同じフォーメーションを採用して対戦している状態の事です。
相対する選手同士がマッチアップする形となり、守備は基本的にマンマークとなります。

普段から同じシステムを採用しているチーム同士の対戦では、必然的にミラーゲームとなり得ますが、意図的に相手に合わせてミラーゲームに "持ち込む" 場合もあります。
Jリーグで 「ミラーゲーム」 と表現される場合、後者である事が多いでしょうか。

意図的なミラーゲームが増えた要因は、特殊な戦術や、特徴的な攻撃パターンを構築するチームが増えたためだと思われます。
特にJ1を連覇したサンフレッチェ広島や、現在首位となっている浦和レッズは、ペトロヴィッチ監督により特殊なシステムが導入されています。
監督の愛称(ミシャ)から "ミシャサッカー" とも呼ばれる変則システムです。
この特殊な戦術に対抗するため、多くの対戦相手がミラーゲームを仕掛けるようになりました。
この事が、Jリーグでミラーゲームが増えた大きな要因だと思います。

あえてミラーゲームとする事で、各ポジションで対面する相手とマッチアップする形となります。
その場合の利点には、

・各選手の役割が明確になる
・マンマークで守備しやすい
・各局面において、数的不利にならない
・戦術面での相手の長所を消せる
・選手個人の能力で勝負でき、そこで勝てれば優位に立てる

などがあるようです。

一方で、上記の利点は、当然のように相手にとっても利点となります。

・マンマークで固く守られてしまう
・各局面において、数的有利になれない
・自分たちの長所も消えてしまう。
・選手個人の能力で負けると不利になる
・1対1で負けたり、マークをはがされたりすると、大きなピンチになりやすい

まさに "ミラー" ですね。

Jリーグで意図的なミラーゲームとする場合、多くがマンマークで守りやすくして相手の長所を消す事を目的としています。
観戦するサポーターからすると、ミラーゲームは膠着状態に陥りやすく、見ていて 「つまらない」 と感じる場合が多くなります。
フィジカルや個の能力を前面に出すサッカーをするチーム同士の対戦であれば、たとえミラーゲームとなっても、いたる所で激しい1対1のマッチアップがあり、とても白熱した試合となります。
しかしながら、組織を重視するJリーグでは、そういった試合は非常に稀だと思います。

試合を膠着化させるミラーゲームですが、各クラブでの戦術の熟成と多様化により、ある意味で副作用的に発生しているように感じます。
各クラブで指揮を執る監督の努力と試行錯誤が生み出した "副産物" なのだと思います。

ミラーゲームを仕掛けてくる相手に対し、さらにそれを上回る戦術の構築を目指したり、膠着状態を打ち破る個の力を持つ選手を育成したりと、 「ミラーゲーム」 がJリーグのレベルを更に押し上げるよう期待したいですね。

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