90☆sonic 2020/02/15 20:59 (MAR-LX2J)
8人兄弟の末っ子として、オランダの田舎町ドロンテンに生まれたジイェフは、兄の影響で、物心がついた頃からストリートサッカーに明け暮れ、そのかいもあって、8歳で地元クラブのASVドロンテンの入団テストに合格。プロを夢見るサッカー少年の人生は前途洋々だった。

 しかし、10歳となった2003年、彼の人生が暗転する。長く闘病生活を送っていたオランダ人の父親が他界したのである。

 子どもを養うため、モロッコ人の母は生活保護を受けながら、休みなく働き詰めたが、ジイェフは荒れ、いつしか学校もサボるようになっていった。

 家庭内の影響は、ピッチ上にも表われてしまう。14歳のとき、家族の生活を支えるため、プロ選手になると決意したジイェフだったが、加入したヘーレンフェーンのアカデミーでは、キレやすい性格が仇となり、頻繁にチームメートや監督らと衝突。チーム内で厄介者として、退団の危機にあったという。

 疑いようのない優れた実力を持ちながら、プロへの道が閉ざされかけていたジイェフを救ったのは、母親の祖国が生んだ英雄だった。当時ドロンテンのユースチームを指導していたエールディビジで最初にプレーしたモロッコ人であるアジズ・ドゥフィカーと出会い、プロとして生きる術を叩き込まれたのだ。

 ドゥフィカーからの助言を受け、より一層、プロへの意識を高めたジイェフは、16歳で通っていた高校を中退。本格的にサッカーに打ち込むようになり、19歳でついに念願のプロデビューを果たしたのだった。

『BBC』の取材に応じたオランダ人記者のマルセル・ヴァン・デル・クラン氏は、ジイェフを次のように評している。

「彼はその人生で多くのことを経験し、そして何度も打ち勝ってきた。だから、プレミアリーグの壁も簡単に乗り越えるだろう。ジイェフは若手にもしっかりとアドバイスを送れる人間だ。今や彼はエールディビジ最高の選手というだけでなく、今のサッカー界には珍しい大きな心を持った人間でもある」

 幼少期の苦難を乗り越え、まさに大逆転で、欧州でも指折りのメガクラブへの移籍を叶えたジイェフ。そんな韋駄天のパフォーマンスからは目が離せない。
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