No.9934
アトレティコ戦の後半、相手のビルドアップに対して、WBはあまり高い位置を取らず実質的に5バックに近い状態にし、相手のSBにボールが入った際に3トップで同サイド圧縮をかけて獲り所にする(CBがボールを持っている際には中盤へのパスコースを切りSBに誘導する)。プレスを回避されて逆サイドに展開された時も、3トップが逆サイドにスライドして同様のプレスを繰り返すという形を取っていました。
利点としては、プレスを3人で連動し完結させているので、プレスが仮にはまらなくても後ろに人数を残せていることから低リスクであり、また3トップが近い位置でプレイしているのでボール奪取時のカウンターの形を作りやすいことが挙げられると思います。
この形の欠点は、3トップがサイドトゥサイドに連動して素早く走り続けないといけないことにありスピードと運動量の両方がないと成立しないことでしょう。今節のツィーエシュ→プリシッチへの交代もこのスライドの強度を上げる意図があったと考えます。
似たような形としてマンU戦で後半20分以降、IHのコバチッチとマウント、2トップのプリシッチとツィーエシュ(ヴェルナー)の4人で同サイド圧縮を繰り返しかけていましたが、この形が取られたのはジルー→プリシッチへの交代後となります。
ここまで書けばお分かりかと思いますが、スピード不足のジルーにこのプレスの仕方をさせるのははっきり言ってミスマッチです。
しかし守備のリスク管理をしつつも相手のビルドアップの起点は潰したいという際にはこのやり方を使いたい。
そのため途中交代で攻撃的な選手を投入する際の選択肢としてジルーを起用する機会が減ったという考えに思い至りました。
ツィーエシュやハヴァーツの復調に伴いスタメンの機会も減ってきてしまってはいますが、とはいえ守備時の役割をCBのパスコースを限定させ相手の右サイドにボールを集めさせることに絞ったマンU戦の前半のように使い方次第ではまだまだやれる選手ですし、ポスト役として絶対に必要なピースですから、少ない出場機会になるかもしれませんがジルーには末永くチェルシーで活躍して欲しいと願います。
余談ですが、途中交代で入った選手が何もしていないと批判をする人をしばしばお見受けしますが、こういったプレスのかけ方なんかにも目を向けて欲しいなと思います。