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――昨年2月、寮内の冷蔵庫からお酒が見つかった。
「それは事実です。残念ですが、飲酒の量は非常に少なく、口をつけたくらいだろうと報告を受けています。飲酒については我々も見ていたわけではありません。ただ、置いてはいけないものがあった。事情を聴き、精査した結果、反省文を書かせ無期の停学処分にしています。処分した人数は10人前後。昔であれば退学処分でしょうけれど、いまは子どもの将来も考えなくてはいけません。停学は3週間で解除しました」
――飲酒が常態化していたのか。
「ないと思います。もし常態化していれば、私がまったく把握できていないことになり、非常に残念な話になります」
――監督が隠蔽を指示したことは?
「そんな指示はないと信じています。隠蔽しても隠しきれると思っていませんから。サッカー協会や県に対して報告はしていません。退学の場合は報告しなければいけませんが、停学処分の場合はそうした義務はありません。(停学処分を受けた部員の保護者には)疑わしき事実があったから処分しましたという内容を伝えています。他の部員の保護者には伝えていません。教育的配慮から、総合的に判断しました」
後日、改めて校長から書面で回答があった。
「停学処分を隠蔽したということは全くありません。学校ですから、間違ったことがあれば正しく指導し成長を見守ることが最も重要です。そういった観点からも特に公表するという事柄ではありません」
だが、先の部員は訝(いぶか)しむ。
「監督の口止めは間違いありませんし、停学処分のアナウンスは部内にありませんでした。そもそも、飲酒組の部員は発覚後も普通に校内にいて、部活も1週間ちょっと雪かきをさせられた後、練習に復帰していました。本当に停学となっていたのでしょうか……」
教育的観点から過ちを犯した子どもを晒し者にせず、立ち直らせるチャンスを与えるのも必要だと理解できる。だが、問題はその過程で“学校が隠蔽した”と生徒たちに受け止められてしまったことだろう。
冒頭に紹介した黒田監督の著書にはこんな言葉も。
〈組織における問題やトラブルには必ず、目に見える「現象」と、それを引き起こした「原因」が存在する〉
3冠に水を差す格好の今回の「飲酒問題」。無論、“一発退場”にすべきではないとしても、内部で部員の不信を招いた「原因」には思いを巡らせるべきだったのではなかろうか。
3589335☆ああ 2024/06/15 22:12 (Chrome)
「ウチの部は規則が厳しく、ちょっとしたことでも重い罰を受けます。例えば、朝は校舎のホールに6時40分から7時5分の間に集合して点呼を受けないといけません。でも、そこで少しでも遅刻すると、連帯責任で遅刻した部員と同学年全員が罰として雪かきをさせられる。ちょっとしたことで退部させられた部員もいます。また、外出も厳しく制限されていて、週に2回、それぞれ1時間しか外に出られません。僕らへの規則は厳しいのに、不祥事が発覚した時に口止めをするのはあまりに理不尽で不公平だと感じているんです。多くの部員がそうした思いを持っています」
学校側の「対応」が、部員から「不祥事を都合よく隠蔽している」と捉えられているのだ。
未成年の飲酒事案について、スポーツ評論家の玉木正之氏がこう指摘する。
「高校生がお酒を飲めば、法律違反なので処分しなければいけませんが、凶悪事件ではありません。ただ、隠蔽しようとしたのであれば、それは教育上良くない。生徒は、“悪いことをしてもバレなければいいんだ”と感じてしまいますし、校内の説明が不十分なら、悪い憶測が飛び交い、かえって生徒のためになりません」
飲酒が発覚した場合の対応について、青森県サッカー協会によれば、
「義務はありませんが、規律に違反したのであれば報告していただきたいと考えています。報告を受けたら該当の高校に詳しい調査を求め、協会の第三者機関で活動停止や当該選手の出場停止を検討します。また、飲酒であれば重大な事案なので、日本サッカー協会に最終的な判断を仰ぎます」
やや大仰な感もなくはないものの、青森県総務部の担当者は、
「生徒さんが退学・停学するような不祥事が発生した場合、各私立高校に対して、報告してくださいという要請を行っています。厳密な義務があるわけではありませんが、青森山田に関しては報告はありませんでした」
さて、一連の事実について確認すべく黒田監督を直撃すると、
「えっ……」
と絶句し、
「俺、直接関わっていないから、わからないんだけど。隠蔽じゃなくて……。最高責任者じゃないんで。学校には校長がいるし……」
しどろもどろの監督に代わり、青森山田高校の花田惇校長が取材に応じた。