63354☆ヴェッキア・シニョーナラ 2021/01/20 02:06 (iPhone ios14.3)
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「サッカー批評」記事
C・ロナウドも打開できず!「師弟対決・イタリアダービー」完敗もユベントス・ピルロ監督の収穫
ACミランに勝利したユべントスが、インテルとのイタリアダービーで完敗を喫した。
ユベントスのアンドレア・ピルロ監督は、師であるアントニオ・コンテ監督との初対決だったが、弱点を突かれた。
ピルロ監督のプランとしては、アーロン・ラムジーとアドリアン・ラビオのインサイドハーフがアルトゥーロ・ビダルとニコロ・バレッラの脇を突き、前線で数的有利を作り出すはずだった。
コンテ監督はまず、中央でその舵を握るロドリゴ・ベンタンクールをラウタロ・マルティネス、ロメロ・ルカクの2トップとマルセロ・ブロゾヴィッチの3人で見ることによって試合から消した。ラムジーとラビオは、単独ではビダルとバレッラの運動量とフィジカルを上回れず、ユベントスは中盤で起点を作ることができなくなった。そうなると、攻撃はサイドに偏ることになる。
ユべントスは、ボール保持時に形成する3ー5ー2の両サイドにフェデリコ・キエーザとジャンルカ・フラボッタを配していた。ウイングバックは攻守に仕事が多いポジションだが、選手個人のキャラクターとしては右のキエーザはアタッカー、左のフラボッタはバランサーと特徴が異なる。守備で4-4-2になる際には、右サイドバックはキエーザではなく3バックの右にいたダニーロが担当し、スライドした3バックに加わる形でフラボッタが左サイドバックになる。
中盤で起点が作れないユべントスの攻撃は、右サイドに偏るようになった。攻撃的なキエーザが担当しているから、ではなく、フラボッタはアクラフ・ハキミに対応しなければならなかったからだ。
可変フォーメーションの特性上、フラボッタの場所は攻守の切り替えで後手を踏みやすい。スピードで勝るハキミと対面するフラボッタは、自身、あるいはその付近でボールを失えば、そのスピードで一気にゴールまでハキミの背中を追うことになる。中央で起点が作れず、左サイドは控え目、というこの状況では、キエーザはアタッカーとしてではなく、低い位置でボールを触ることから始めなければならなかった。
こうして中盤が機能しなくなると、クリスティアーノ・ロナウドが下がってきてボールに絡もうとするようになった。機能不全に陥った場合、普段はパウロ・ディバラが下りてきて繋ぎ役になるが、ロナウドは繋ぎ役ではなく個人での打開を試みた。しかし、タッチライン際の低い位置でロナウドにドリブルを開始されても、5-3のブロックが出来上がっているインテルのディフェンスが慌てる必要はなかった。
こうしてユべントスの攻撃を無力化したインテルは、攻撃でも優位に試合を運んだ。まずは、ルカクがジョルジョ・キエッリーニに張り付く。キエッリーニは左のセンターバックだ。左サイドバックとしてディフェンスをするフラボッタは、攻撃を控え目にしてハキミのケアに力を注いでいたが、キエッリーニがルカクにつきっきりになっていることで結局は広いスペースを1vs1で対応しなければならなかった。左サイドハーフとしてラムジーがセンターから移ってくるはずだが、ここでもバレッラの運動量にやられ、サイドバックのサポートまで戻ってくる余裕はなかった。