23806☆報知 2014/12/08 08:04 (iPhone ios7.1.2)
【J1昇格PO】山形、17位からJ1昇格!GK山岸「うれしさと安堵が」
◆J1昇格プレーオフ ▽決勝 千葉0―1山形(7日・味の素スタジアム)
J2で6位の山形が、前半37分のFW山崎雅人(33)の先制点を死守、3位の千葉を1―0で下し2011年以来4季ぶり2度目のJ1昇格を決めた。石崎信弘監督(56)は史上3人目の3チームをJ1に上げた監督となった。千葉は天皇杯準決勝(11月26日、2●3)に続き山形に敗れ、導入から3年連続で出場したプレーオフ(PO)で敗退。山形は13日に天皇杯決勝(日産ス)で、3冠を狙うG大阪と対戦する。
夜空を見上げた瞬間、緊張の糸がとぎれた。J1復帰。勝利の笛が鳴ると、GK山岸は上を向いて両拳を突き上げた。「うれしさと安ど感、両方入り交じったのが率直な気持ちですね」。主将は昇格を成し遂げて初めて、1万人の山形サポーターの声援に心地良さを感じた。
引き分けでは敗退するハンデは、前主将の一撃で払拭した。前半37分、MF宮阪の左クロスを山崎が頭でそらした。「得意な形。ただ、ボールが弱かったので入れと」。思いを込めた弾道は右ポストに当たりゴールラインを割った。「得点の後は全員が集中して体を張った」。こう選手をたたえた石崎監督は3度、胴上げされた。
序盤、17位に沈みながら6位でPO進出。同準決勝の磐田戦を山岸の後半ロスタイムヘッドで勝ち上がり、同時に天皇杯でもクラブ史上初のファイナル行き。勢いと運を味方に続けた快進撃。それは1年前の決断が全てだった。過去2年は6位にも入れず、抗議の横断幕が翻った。思い詰めた中井川GMは昨年9月、「俺の最後のカードを切る」と決断。川崎市の居酒屋で、「もう一度、山形に来てくれないか」を中国から戻った石崎監督を口説いた。
2人は前身のNEC山形で監督とマネジャーとして苦楽をともにした“親友”。「中ちゃんには、『絶対J1に上げるから』と言ったよ」。監督を始めた古巣からの誘いに即座に返答。土のグラウンドを転々とした若き日を思い出し、徹底的に選手のフィジカルをいじめ抜くハード練習でチームを鍛え、最高の結果を出した。
13日には3冠を狙うJ1王者・G大阪との今季最後の大一番が待つ。08、09年と在籍した古巣で連覇に貢献した山崎は語気を強めた。「(相手は)間違いなく力があるチーム。自分たちの力をはかる上ではいい試合になる」。勢いを味方に、再び奇跡を起こしてみせる。(網野 大一郎)
◆モンテディオ山形 1984年、NEC山形のサッカー同好会として発足。94年にJFLに昇格し、96年に現チーム名に改称。99年よりJ2に参戦し、2009年にJ1初昇格。11年季を18位で終え、J2へ降格した。チーム名のモンテディオは、イタリア語の「MONTE(山)」と「DIO(神)」を組み合わせた造語。山形県の出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)と、頂点を目指すチームを表す。クラブカラーはブルー、イエロー。本拠地はNDソフトスタジアム山形(2万1292人収容)。