369696☆小笠原 2024/12/20 03:17 (Android)
僕は逃げたのではないか。
夏に移籍してからずっとその気持ちが心の中にありました。
僕は御託を並べるのが得意で、それらしい理由を見つけてストーリーを作っていくのが得意です。それはいつの間にか本心を覆い隠してしまうことがあります。5ヶ月前に移籍に際して書いたリリース文は今読み返してもたしかに本心だろうと思います。ただ同時に当時の現状から逃げたような気もするのです。そこが語られていないような気がしました。 もしかすると、移籍せずに残っていれば夏すぎから挽回してスタメンを勝ち取れたかもしれない、それは分かりません。でも僕は怖かったんです。そのままMYFCに残り続けたとしてシーズンが終わったあとの面談で来年の契約がないことを言い渡されるのが。ロアッソのときからトラウマなのです。必要としてくれたクラブから必要ないと言われるのが、必要としてくれていた監督から必要ないと暗に伝わるのが、3年かけてだんだん好きになったクラブを離れるのが。 組織は動的平衡なものです。生命と同じように組織を構成するものは絶えず変化していきます。ずっと残り続けるものはありません。僕もただ1つの細胞としてそこを通り過ぎていく存在にすぎません。でも確かに僕はそこに存在していたと思いたいのです。 J2に昇格したあの瞬間、確かに僕は長野にいました。J2初年度 藤枝総合でエスパルスを倒したとき、確かに僕はピッチに立って終了のホイッスルを聞きました。天皇杯でJ1のアントラーズが藤枝総合のスタジアムに来たあの日、確かに僕はそこにいました。だから、このクラブに少なからず貢献できたという自負があります。ちっぽけな自負かもしれません。でもいいのです。そのちっぽけな自負を持って次のクラブに行きます。 もちろんSC相模原にもクラブを今の位置まで引き上げてくれた人たちがたくさんいます。今も支えてくれている方がたくさんいます。少しでもその人たちに報いられるように精一杯サッカーをします。どれだけ小さくてもクラブに貢献できたと胸を張って言えるようにサッカーに向き合っていきます。 夏の移籍はやっぱり逃げだったのかもしれないという気持ちは拭えません。でも仮に選択が逃げだったとしてもサッカー選手としてピッチ上で手は一切抜いていません。そして移籍先で出会えた人、経験できたことは僕にとってかけがえのないものになりました。 サッカー界はとても狭いです。だからさようならもありません。またどこかでお会いしましょう!